米IDCが米国時間2009年11月5日に公表した世界スマートフォン市場に関する調査結果によると,2009年第3四半期(7~9月)に世界中で出荷されたスマートフォンの台数は4330万台だった。前年同期の4150万台を4.2%上回り,2009年第2四半期の4190万台から3.2%増加した。

 IDCは,米Googleが推進するモバイル・プラットフォーム「Android」について,すでに搭載機を販売している台湾のHigh Tech Computer(HTC)のほか,米Motorolaなどがリリースを計画していること。また,最近「バージョン2.0」が発表されたことから,今後市場に大きな影響を与える存在になると指摘している。

 当期のベンダー別出荷台数()をみると,首位の座をフィンランドのNokiaが守った。フラッグシップ・モデル「N97」の根強い人気と,「E71」をはじめとする企業向けモデルに支えられた。しかし北米では引き続き苦戦している。

 2位はカナダのResearch In Motion(RIM)で,北米以外でも出荷台数を伸ばした。一部地域では伸び率が3ケタに達するところもあった。3位の米Appleは,四半期別では過去最大の出荷台数を記録した。4位はHTC,5位は韓国Samsungだった。

 IDCでモバイル・デバイス技術およびトレンド担当上級リサーチ・アナリストを務めるRamon Llamas氏は「スマートフォンに対する需要は年間を通じて強い。ユーザーは通話にとどまらない優れた機能をモバイル端末に期待している。音声通信とデータ通信を統合したスマートフォンは,今後も携帯電話全体の市場を上回る速度で成長していくだろう」と述べた。

表1●2009年第3四半期の上位5ベンダー別スマートフォン出荷台数(単位:100万台)
ベンダー 2009年Q3 2008年Q3 増減率
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア
Nokia 16.4 37.9% 15.4 37.1% 6.6%
RIM 8.2 19.0% 6 14.6% 35.7%
Apple 7.4 17.1% 6.9 16.6% 7.1%
HTC 2.4 5.6% 2.1 5.1% 14.7%
Samsung 1.5 3.5% 1.5 3.7% 0.0%
その他 7.3 16.8% 9.5 22.9% -23.5%
合計 43.3 100.0% 41.5 100.0% 4.2%
出典:IDC

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