調査内容 主要インテグレータへの満足度(その1:提案力)
調査時期 2009年9月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3215件(1127件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象として,2009年9月調査で国内の主なシステム・インテグレーター(SIer)の「提案力」に対する利用者の満足度を聞いたところ,評価対象企業45社の満足率(算出方法は下記の「■調査概要」参照)トップは野村総合研究所(NRI),2位はIIJグループ(インターネットイニシアティブ、IIJ-Techなど),3位は伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とNTTデータがほぼ同率で並んだ。

トップの満足率は70%台に復帰,平均も前々回水準に

 前回2009年3月調査では「提案力」満足率1位のIBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)が65.5%(前々回2008年8月調査は75.8%),NRIが64.2%(2008年8月調査は72.5%)と65%前後でのトップ争いだった。今回は首位のNRIが73.4%と70%台に復帰。2位のIIJ(前回は57.4%で8位)は67.0%,3位のCTC(前回51.9%→今回66.1%)とNTTデータ(前回61.3%→今回65.8%)まで,4社が前回調査の1位の満足率を上回った。

 評価対象SIer全体の平均値は,前回調査(有効回答数30以上を得た36社)の51.2%に対し,今回(提示した全45社が有効回答数30以上)は56.0%。これも2008年8月調査(有効回答数30以上を得た30社)の平均57.2%に近い水準となった。

IBM勢が順位下げ,前回上昇した住商情報,富士ソフトも低下

 前回1位のIBCSは3.4ポイント・ダウンの62.1%で,NEC(営業ビジネスユニット,大手企業担当営業)の61.9%と並ぶ9位~10位グループに後退。前回3位の日本アイ・ビー・エム・サービス(ISC-J)は0.3ポイント満足率を上げた(前回63.6%→今回63.9%)が,富士通システムソリューションズ(前回60.2%→今回64.0%),NECソフト(各地のグループ会社を含む)(前回52.6%→今回63.8%)と並ぶ5位~7位グループとなった。

 前回調査で前々回調査より8.0ポイント・アップし,「提案力」満足率の4位(62.7%)に進出した住商情報システムは,今回45社中最大の約18ポイント・ダウン(44.6%)で42位。前回調査で36社中最大の11.5ポイント・アップした富士ソフトも,今回約18ポイント・ダウンで45位となった(前回55.6%→今回38.1%)

 ちなみに今回の「提案力」満足率の前回比ポイント・アップ幅が最も大きいのは,日立電子サービス(旧日立HBMを含む)で約18ポイント・アップ(前回41.1%で32位→今回59.0%で16位)。次いで17.5ポイント・アップのJBグループ(日本ビジネスコンピューター、リード・レックスなど)(前回35.6%で35位→今回53.1%で30位),約16ポイント・アップのCSKグループ(CSKシステムズ,CSKコミュニケーションズ,CSK-ITマネジメントなど)(前回30.6%で36位→今回46.8%で41位)と都築電気(前回35.8%で34位→今回51.5%で35位~38位グループ)など。前回2009年3月調査で最下位に近かったSIerが大きく満足率を上げた。

メーカーでは日本IBMとNECの大手企業担当のみが上位10社入り

 今回の調査で新たにSIerとしての評価対象リストに加えたコンピューター・メーカー大手5社6部門(「■調査概要」参照)では,「提案力」満足率は8位(63.1%)の日本IBMが最も好成績で,前述のNEC(営業ビジネスユニット)が9位~10位グループ。NEC(各地域支社)は56.4%でNECネクサソリューションズ(56.1%),富士通(55.5%)などと同じ20位~24位グループ。日立製作所(54.8%)はその直下で富士通ビジネスシステム(54.9%)などと同じ25位~27位グループ。日本HP(旧EDSジャパンを含む)の「提案力」満足率は51.6%で35位~38位グループだ。富士通と日立は45社の平均満足率(56.0%)並み,日本HPは45社平均を下回った。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主なシステム・インテグレーター(SIer)に対する満足度を聞いた。大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて45社を選び,有効回答者全員に評価を求めた。今回の2009年9月調査から評価対象SIerのリストを大幅に見直し,富士通,NEC,日立製作所,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード(旧EDSジャパンを含む)のコンピューター・メーカー大手を加えた。富士通とNECについては,今年(2009年)夏から秋にかけて,国内営業体制の大規模な整理・再編に踏み切ったことを考慮し,NECについては「営業ビジネスユニット」(大手企業担当)と「各地域支社」(東名阪地域以外を担当。東名阪地域の中堅企業を担当する「NECネクサソリューションズ」は従来から本調査の評価対象に含まれている)に分けて評価対象とした。富士通については中堅企業担当の「富士通ビジネスシステム」(FJB)が従来から評価対象であり,大手企業担当の「富士通」を新たに評価対象に追加した。
 今回の2009年9月調査では,前回2009年3月調査,前々回2008年8月調査と同じく,まず「(評価対象の)このSIerを利用しているか」を聞き,「利用している」とした回答者にのみそのSIerについて,「サービス料金」「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」「システム構築力」「運用サービス力」の六つの満足度評価項目にそれぞれ,「満足」か「不満足」の二者択一で回答するよう求めた。「満足」と「不満足」の回答数の合計を有効回答数とし,「満足」とした回答者の比率(%)を「満足率」とした。
 調査実施時期は2009年9月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3215件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1127件。

図1●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数上位15社》
図1●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数上位15社》

図2●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数16位~30位》
図2●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数16位~30位》

図3●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数31位~45位》
図3●主要システム・インテグレーターの提案力に対する満足率《回答数31位~45位》