楽天リサーチが9月に行った調査によると、日常生活でパソコンからインターネットバンキングを利用している人の割合は68.2%で、前年の調査とほぼ同率。利用者は飽和状態にある。また利用頻度も減少傾向を示した。ネットバンキングを「週1回以上」使うという人は前年から6.7ポイント低下して23%になる一方、「月2―3回」が2.6ポイント上昇して33.1%になった。

 ネットバンキングの用途を尋ねたところ「残高・入出金明細などの預金口座の情報照会」という回答が83.3%と最も多く、前年から12.3ポイント上昇した。次いで「他口座への振込・振替」は12.3ポイント上がって77.5%。一方でネット送金サービスなど「銀行口座以外への送金」は12.4%と前年から26.8ポイント低下し、「ネットショッピングやオークションなどの決済」も2.4ポイント低い50.3%と減少を示した。

 また携帯電話向けネットバンキングも利用率は16.0%となり、前年比で0.4ポイントの微増にとどまった。利用頻度は「月に1回未満」(28.8%)、「月に2―3回」(23.1%)などが多く、「以前は利用していたが、現在は利用していない」(14.4%)という人もいた。

 携帯でネットバンキングを利用しない理由としては「携帯から銀行取引をする必要がない」(47.5%)、「通信費(パケット料金)がかかる」(37.4%)、「画面が小さく、情報が見づらい」(31.9%)などが挙がった。

 またパソコン、携帯いずれの場合でもネットバンキングの長所として「24時間いつでも利用できる」(85.1%)点などは評価されているが、短所として「個人情報の管理が不安」(51.8%)、「システム障害が不安」(39.1%)といった点も認識されている。

 楽天リサーチでは今後ネットバンキングの利用を拡大するためには、安全性やシステム稼働率の安定、携帯向けサービスの利便性向上などが必要と分析している。

 調査は9月17―24日、20歳代―60歳代の男女を対象にインターネット上で実施した。有効回答数は1000。性別内訳は男女同率で、各年代から均等に回答を集めた。

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・楽天リサーチのWebサイト http://research.rakuten.co.jp/