米Gartnerは米国時間2009年10月19日,世界のIT支出に関する調査結果を発表した。それによると,2009年における世界IT支出は前年比5.2%減少する見通しだが,2010年は回復し,前年比3.3%増の3兆3000億ドルに達する。しかしGartnerは,IT業界のリーダーらが過度に楽観的になっていると警告している。

 2010年に成長に転じるものの,市場が2008年の水準に戻るのは2012年より後になる。2010年は,コスト,リスク,成長にどのように焦点を当てるかが問題で,CIOの50%以上が,IT予算を維持あるいは減らすと答えている。2011年はゆるやかな成長にとどまる見通し。

 もっとも厳しい状況にあるコンピューティング・ハードウエア分野は,2009年の支出が3170億ドルで,前年比16.5%減少する見込み。2010年はほぼ横ばいとなる見込み。

 通信分野は2009年が約1兆9000億ドルで前年比4%減少するが,2010年は3.2%成長する。ITサービス分野は,2009年の7810億ドルから,2010年は4.5%増加する。ソフトウエア分野は2009年が前年比2.1%減だが,2010年は4.8%増に回復する。

 またGartnerは,サーバーやパソコン,プリンタなどの買い替えを先延ばしにしていることが,リスクを高めることになると指摘する。同社の推計によると,現在,約100万台のサーバーが買い換えを1年間引き延ばしている。2010年にはその数が200万台以上にのぼり,このペースでいけば,2011年には企業で設置しているサーバーのほぼ10%が買い替え期を過ぎていることになる。これは,装置などのトラブル発生の確率が高まることを意味する。同社は,企業がこのような影響の査定を始めるべきだと忠告している。

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■変更履歴
第3段落で「2009年の支出が3億1700万ドル」としていましたが,正しくは「2009年の支出が3170億ドル」です。また,第4段落で「ITサービス分野は,2009年の7億8100万ドルから」としていましたが,正しくは「ITサービス分野は,2009年の7810億ドルから」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/10/21 14:00]