米IDCが米国時間2009年10月14日に発表した世界パソコン市場に関する調査結果によると,2009年第3四半期の世界パソコン出荷台数は7810万台で前年同期と比べ2.3%増加した。第1四半期の6.8%減,第2四半期の2.4%減からプラス成長に転じ,「Windows 7」の発売を目前にして明るい兆しが見えている。同社は,第4四半期以降の好調が期待できるとしている。
ベンダー首位は米Hewlett-Packard(HP)が維持した。出荷台数が前年同期より9.3%拡大し,シェア20.2%を獲得した。2位には,米Dell(シェア12.7%)を抜いて台湾のAcer(シェア14.0%)が立った。Acerの出荷台数は前年同期比25.6%増加し,一方Dellは同8.4%減少した。
当期は,日本を除くあらゆる地域で事前予測に達した。ノート・パソコンが引き続き市場全体をけん引し,出荷総数の過半数を占めた。ネットブックが大いに貢献している。
米国の出荷台数は前年同期と比べ2.5%増加した。新学期シーズンなどの要因によりノート・パソコンが好調だった。特に低価格モデルに関心が集まった。小売市場に強いベンダーが恩恵を受け,HPが1位となった。
EMEA(欧州/中東/アフリカ)の出荷台数は前年実績を下回ったものの,西欧の消費者需要に支えられ,前期から成長した。ネットブックが引き続き好調で,従来型ノート・パソコンの購買喚起にもつながっている。
日本は,依然として企業の支出削減が厳しく,消費者需要で補える範囲ではない。前年同期と比べ2ケタの減少率となり,過去の季節的パターンに反して前期より縮小した。ノート・パソコンは予測をわずかに上回ったが,デスクトップ・パソコンが予測よりはるかに落ち込んだ。
日本を除くアジア太平洋地域は,ノート・パソコンとデスクトップ・パソコンともに成長した。特に中国と台湾では期待を上回る伸びを見せた。
■2009年第3四半期における世界パソコン市場のベンダー別出荷台数(速報値) 順位 ベンダー 2009年3Q 市場 2008年3Q 市場 前年同期比 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 増減率 (1000台) (1000台) 1 HP 15,789 20.2% 14,441 18.9% 9.3% 2 Acer 10,956 14.0% 8,720 11.4% 25.6% 3 Dell 9,950 12.7% 10,863 14.2% -8.4% 4 Lenovo 6,987 8.9% 5,910 7.7% 18.2% 5 東芝 4,036 5.2% 3,777 4.9% 6.9% その他 30,382 38.9% 32,643 42.8% -6.9% 合計 78,100 100.0% 76,354 100.0% 2.3% 出典:IDC
■2009年第3四半期における米国パソコン市場のベンダー別出荷台数(速報値) 順位 ベンダー 2009年3Q 市場 2008年3Q 市場 前年同期比 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア 増減率 (1000台) (1000台) 1 HP 4,467 25.5% 4,327 25.3% 3.2% 2 Dell 4,374 25.0% 5,049 29.5% -13.4% 3 Acer 1,946 11.1% 1,312 7.7% 48.3% 4 Apple 1,640 9.4% 1,467 8.6% 11.8% 5 東芝 1,426 8.1% 1,038 6.1% 37.4% その他 3,661 20.9% 3,897 22.8% -6.1% 合計 17,515 100.0% 17,089 100.0% 2.5% 出典:IDC
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