米comScoreは米国時間2009年10月1日,米国のオンライン広告市場に関する調査結果を発表した。2009年3月にオンライン広告を1回以上クリックした米国インターネット・ユーザーは16%で,2007年7月の32%から大幅に減少した。また,全クリック数の85%が,わずか8%のユーザーによるものだった。

 comScoreは,オンライン広告の効果はクリック・スルー(ユーザーがオンライン広告をクリックしてクライアントのサイトへジャンプした回数)では適切に測定できなくなっていると指摘する。ディスプレイ広告によって,Webサイトへの訪問や,オンラインおよびオフラインの販売が増えるといった効果はあるが,必ずしもクリック・スルーとは比例しないという。

 comScoreマーケティング・ソリューション担当バイス・プレジデントのLinda Anderson氏は,「ユーザーにクリックしてもらうことだけを目指してオンラインでキャンペーンを展開しても,米国インターネット・ユーザーの84%にはまったく意味がない。クリック・スルーではなくビュー・スルー(オンライン広告を目にした回数)に基づいたキャンペーンを検討するべきだ」と述べている。

 米メディアの報道(Internetnews.com)によると,comScoreが今年6月に発表した調査結果では,オンライン広告を目にしたユーザーの5分の1がそのブランドについて検索し,3分の1がそのブランドのサイトを訪れたことが分かった。また,オンライン広告を見たユーザーは,そのブランドのサイトでの滞在時間が全ユーザーの平均より50%程度長く,閲覧したページも多かったという。

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