調査内容 主要システム関連ベンダーとの接触度
調査時期 2009年6月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3211件(1100件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダー45社のイメージを調査したところ,「自分の仕事(職務領域)と接点がある」と感じているベンダーのトップは「マイクロソフト」(76.2%,前回2008年10月調査では76.8%,2008年7月調査では79.2%),2位は「NTT東日本/NTT西日本」(NTT東西,67.6%,前回70.3%,2008年7月調査では68.4%),3位は「デル」(64.3%,前回60.9%,2008年7月調査では62.8%)だった。

 今回の調査から評価対象として提示するベンダーのリストを若干絞り込んだが,トップ3社は2007年10月調査以来,2008年1月調査2008年4月調査,2008年7月調査,前回2008年10月調査,今回と連続6回,2年弱にわたって変わらなかった。マイクロソフトは初回の2006年10月調査以来,10回連続トップとなった。

 2008年4月調査以来,「接点がある」の内容を「取引/契約実績がある」,「商談等で接触した」,「商談等の接触はない」に3分割して聞いているが,前回2008年10月調査と比べて「接点がある」の合計比率が比較的大きく上昇したのは,比較可能な40社(下の「■調査概要」参照)中,「エーピーシー(APC)・ジャパン」(前回22.8%→今回29.8%)と「レッドハット」(前回26.1%→今回33.1%)の7ポイントである。

「接点を取り引きにつなぐ」率もMS/NTT/デルが強い

 今回の「取引/契約実績がある」率の上位3社の顔ぶれはNTT東西(前回40.9%→今回43.2%),マイクロソフト(前回39.6%→今回41.3%),デル(前回37.4%→今回39.4%)。これも前回調査と同じトップ3だった。「職務上と接点がある」とした回答者だけを母数(100%)とした場合の「取引/契約実績がある」回答者の比率でも,上位3社はNTT東西(前回58.2%→今回63.8%),デル(前回61.4%→今回61.2%),マイクロソフト(前回51.6%→今回54.2%)だった。

 ちなみに前回2008年10月調査と比べて「取引/契約実績がある」率が比較的大きく上昇したのは,APCジャパンの約6ポイント(前回10.1%→今回15.9%)と「アライドテレシス(コレガを含む)」の約4ポイント(前回11.8%→今回15.9%)である。

受注を逃した率トップは今回もSF.com

 「商談等で接触した」の比率では,今回は「日本IBM(チボリ,ラショナル,ロータス,コグノス,Informix,Red Brickなどを含む)」が11.5%(前回調査では9.8%)で45社中最大,ほぼ同率で「富士通(Gloviaを含む)」が11.2%(同12.1%)。3~5位も「NTTコミュニケーションズ(NTTPCコミュニケーションズ(InfoSphere),NTTぷららなどを含む)」,「NEC」,「日立製作所」の3社が10.5~10.6%のほぼ同率で並んだ(前回調査ではNTTコム13.6%,NEC10.5%,日立11.3%)。前回2008年10月調査と比べて「商談等で接触した」率が上昇したのは,「サイボウズ」の約3ポイント(前回6.4%→今回9.3%)が最大で,次いで前述の日本IBMの1.7ポイント増だった。

 「取引/契約実績がある」と「商談等で接触した」という回答者数の合計を100%とした「商談等で接触した」の比率,つまり「商談などの接触まで進んだが契約していない」,ベンダーにとっての受注失敗の比率を見たところ,トップは前回調査に続いて「セールスフォース・ドットコム(SF.com)」の62.6%(取引/契約実績あり34票,商談等で接触あり57票)。SF.comは前回調査でも70.7%で,評価対象ベンダー66社中最大だった。2位の「エムオーテックス(MOTEX)」の53.9%(35票-41票。前回37.7%),3位「EMCジャパン(Documentum,Avamarなどを含む。VMwareは除く)」の51.9%(前回52.8%)を大きく上回っている。

「認知されているが接触なし」率上位はネットアップやPCA,ネオジャパン

 「職務上接点があるが,商談等の接触はない」とした回答者の比率が高いのは,マイクロソフト(25.8%),「アドビシステムズ」(24.8%),「日本オラクル(BEAシステムズ,ハイペリオン,シーベル,ピープルソフト,JDエドワーズなどを含む)」の19.4%がトップ3。前回調査比では,MOTEX(前回2.4%→今回8.1%)とレッドハット(前回11.7%→今回17.3%)のこの項目の比率が6ポイント弱増えているのが目立つ。

 「職務上接点がある」とした回答者だけを母数(100%)とした場合の「商談等の接触はない」回答者の比率が高い,すなわち認知度の高さに比べてやや営業力不足の感があるベンダーは,「ネットアップ(旧日本ネットワーク・アプライアンス)」が59.3%(前回54.4%)で前回2008年10月調査と比較可能な40社中最大。「ピー・シー・エー(PCA)」が58.2%(前回42.5%),「ネオジャパン」56.7%(前回46.0%)までがトップ3だった。

 ちなみに今回調査対象とした45社全体での「職務上接点はあるが商談等の接触なし」率のトップ3は,米Amazon.com(Amazon Web Services)が74.7%,米Google(Google App Engine,Google Apps)が69.1%,ヤフー(日本法人、旧ソフトバンクIDCを含む)が62.5%。4位が上記のネットアップ(59.3%)だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,情報通信製品/サービス・ベンダーの主要企業45社(下のグラフ参照)について,「自分の職務領域はこの企業と接点がある」と感じるかを聞いた。「接点がある(取引/契約実績がある)」,「接点がある(商談等で接触した)」,「接点がある(商談等の接触はない)」,「接点はない」の四者択一としている。この45社のうち,イー・アクセス(イー・モバイル、アッカ・ネットワークスを含む),ヤフー(日本法人、旧ソフトバンクIDCを含む),ワークスアプリケーションズ,米Amazon.com(Amazon Web Services),米Google(Google App Engine,Google Apps)の5社は前回2008年10月調査では評価対象ベンダーのリストに含まれておらず,前回の結果と比較できない。
 調査実施時期は2009年6月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3211件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1100件。

図●「職務(情報システム業務)で接点がある」と感じるシステム関連ベンダー(n=1100)
図●「職務(情報システム業務)で接点がある」と感じるシステム関連ベンダー(n=1100)
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