調査内容 主要ベンダーへの満足度(通信・ネットワークサービス)
調査時期 2009年6月中旬~下旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3211件(1100件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーへの満足度を,企業情報システム担当者を対象に調査した結果,「通信・ネットワークサービス」分野で最高の満足率(算出方法は下の「■調査概要」参照)を獲得したのは,「性能・機能」ではNTT東日本/NTT西日本(NTT東西)。「サポート・サービス」ではNTT東西とNTTコミュニケーションズ(NTTコム)がほぼ同率でトップ。「価格(料金)」の満足率はソフトバンクテレコム(SBテレコム)が,僅差でNTTコムを上回り首位に立った。

「価格」と「性能・機能」でイー・アクセスがトップ3入り

 「通信・ネットワークサービス」の「価格」への満足率は,前回2009年3月調査で首位(57.2%)のNTTコムと2位(56.9%)のNTT東西が,今回調査ではともに約3~5ポイント・ダウンして2位と4位に後退。前回調査で4位(53.3%)のSBテレコムが約2ポイント評価を上げ,トップに進出した。この分野での評価対象の8社のうち,SBテレコム以外の7社の「価格」への満足率は,すべて前回調査より0.1~4.5ポイント下がっている。

 前回調査で価格満足率3位(55.2%)のイー・アクセス(イー・モバイル,アッカ・ネットワークスを含む)は今回54.2%を獲得。NTTコム(54.4%)と0.2ポイント差でほぼ同率2位である。

 「通信・ネットワークサービス」の「性能・機能」への満足率は,前回調査で首位のNTT東西(52.8%)が今回も50.3%でトップ。前回は首位とほぼ同率だったNTTコム(52.7%)は,ここでも約4ポイント・ダウンを喫したが2位を守った。前回4位(44.0%)のイー・アクセスが1.5ポイント評価を上げて満足率45.5%を獲得,約9ポイント・ダウンした前回3位(49.9%)のKDDI(au,旧パワードコム,UQコミュニケーションズを含む)を抜いて3位を占めた。

「性能・機能」「サポート・サービス」でKDDIの満足率急落

 「サポート・サービス」の満足率は,前回調査までNTT東西,NTTコム,KDDIの3社がトップ3争いを続けてきたが,今回はここでもKDDIが後退。前回調査(38.5%で2位)から約9ポイント・ダウンし5位に転落した。前回39.1%で首位のNTTコムが約1ポイント下げ,前回37.5%で3位のNTT東西がわずかに満足率を上げて,ほぼ同率で両社トップ。3位には前回30.5%のNTTドコモ,4位には同27.1%で8社中8位だったウィルコムが,ともに前回より5ポイント評価を上げ,KDDIを上回った。

 「通信・ネットワークサービス」の3項目の満足率の単純平均は,NTTコム(前回49.7%)とNTT東西(前回49.1%)がやや評価を下げたものの47.0%で並んで首位。3位には前回5位(41.5%)から1.1ポイント上げたイー・アクセス(42.6%)が入り,以下NTTドコモ(41.7%,前回39.2%で同率6位),SBテレコム(41.2%,前回42.5%で4位),KDDI(40.8%,前回46.8%で3位)の順となった。

「不満足率」の改善ではKDDIが最も好成績

 一方,通信・ネットワークサービスへの「不満足率」の3項目の単純平均では,KDDIが最も低い15.0%で,前回調査の18.7%から約4ポイント改善。次いでイー・アクセス(15.7%,前回は17.1%)が良い成績となった。評価項目別に見ると,「価格」ではSBテレコム(前回26.0%→今回21.4%),KDDI(前回24.3%→今回19.9%),イー・アクセス(前回21.0%→今回16.7%)の3社が不満足率を約4~5ポイント減らした。「性能・機能」ではNTTドコモ(前回14.5%→今回10.7%)とNTT東西(前回15.1%→今回12.1%),KDDI(前回14.3%→今回11.3%)が不満足率を約3~4ポイント改善。「サポート・サービス」は評価対象の8社すべてが約1~5ポイント改善したが,ソフトバンクモバイルの4.6ポイント(前回17.6%→今回13.0%)が最も大幅な改善である。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,主要ベンダーに対する満足度を聞いた。
 前回2009年3月調査と同じく,まず「評価対象のベンダーを利用しているか」の設問を提示。そのうち「利用している」とした回答者数(有効回答数)を,そのベンダーのその評価項目についての100%とし,その評価項目に「満足」「不満足」の二者択一で回答を求めた。本文中の「満足率」は上記の有効回答数の中で「満足」とした回答者の比率,「不満足率」は「不満足」とした回答者の比率である。これに「満足」「不満足」のいずれも選ばなかった無回答(態度保留)の回答者を加えると100%となる。
 「価格」満足度は評価対象ベンダーと直接契約して利用している回答者,「性能・機能」と「サポート・サービス」満足度は評価対象ベンダーの製品・サービスを直接または間接的な形で利用している回答者にだけ,設問を提示した。
 なお,今回の調査では以下の各ベンダー(有効回答数30以上を得た会社のみ記載,順不同)も評価対象として提示したが,当該ベンダーの製品・サービスの領域を考慮して,「通信・ネットワークサービス」の満足度評価の集計対象からは除外した。
 EMCジャパン(Documentum,Avamarなどを含む。VMwareは除く),NEC,SAPジャパン(BusinessObjectsを含む),アドビシステムズ,アライドテレシス(コレガを含む),ヴイエムウェア(VMware日本法人),ウイングアークテクノロジーズ,エーピーシー・ジャパン(American Power Conversion),オービックビジネスコンサルタント(OBC),サイボウズ,サン・マイクロシステムズ(MySQL,StorageTekを含む),シスコシステムズ,シトリックス・システムズ・ジャパン,シマンテック(ベリタスソフトウェアを含む),セイコーエプソン,セールスフォース・ドットコム,ソニー(bit-driveを含む),デル,トレンドマイクロ,ネオジャパン,ピー・シー・エー(PCA),マイクロソフト,マカフィー,ヤフー(旧ソフトバンクIDCを含む),レッドハット,レノボ・ジャパン,ワークスアプリケーションズ,東芝,日本IBM(チボリ,ラショナル,ロータス,コグノス,Informix,Red Brickなどを含む),日本オラクル(BEAシステムズ,ハイペリオン,シーベル,ピープルソフト,JDエドワーズなどを含む),日本ヒューレット・パッカード(EDSジャパンを含む),日立製作所,富士通(Gloviaを含む),米Amazon.com(Amazon Web Services),米Google(Google App Engine,Google Apps)。
 調査実施時期は2009年6月中旬~下旬,調査全体の有効回答は3211件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1100件。

図1●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《価格》
図1●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《価格》

図2●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《性能・機能》
図2●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《性能・機能》

図3●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《サポート・サービス》
図3●主な情報システム関連ベンダーの通信・ネットワークサービスへの満足度《サポート・サービス》