米DisplaySearchは米国時間2009年7月13日,世界のノート・パソコン市場に関する調査結果を発表した。それによると,2009年のネットブックの出荷台数は前年比99.1%増の約3300万台に達し,ノート・パソコン市場全体に占めるシェアも20%に拡大する見通し。その影響で,12.1インチ以上のディスプレイを搭載した従来型ノート・パソコンの出荷台数は,前年比で初の横ばいとなる見込みだ。

表■ネットブック/ノートパソコンの地域別出荷台数
(単位:100万台)
  2008年 2009年 Netbook
成長率
Note
成長率
Netbook Note Netbook Note
日本 1.5 8.5 1.9 7.4 29.1% -13.0%
北米 3.7 40.3 8.8 39.9 136.9% -1.1%
EMEA 7.3 51.4 13.3 46.7 80.6% -9.1%
大中華圏 1.1 13.0 3.9 16.0 260.3% 22.3%
中南米 1.0 4.5 1.9 5.4 88.1% 19.8%
アジア太平洋 1.8 11.9 3.0 14.1 64.6% 18.7%
合計 16.4 129.6 32.7 129.5 99.1% -0.1%
出典:DisplaySearch

 ネットブックのシェアは,中南米(26%)やEMEA(22%)で大きく,アジア太平洋地域や北米,中国では小さい。DisplaySearchは,中南米などの新興市場ではネットブックの価格の安さがより大きな魅力となっている,と分析する。

 2009年のネットブックの地域別売上高は,中国が前年比260%増,北米が同137%増,中南米が同88%増と拡大する見通し(米CNET News.comの報道)。

 従来型ノート・パソコンの出荷台数が頭打ちになっている要因としては,ネットブックの台頭のほか,企業需要の大幅な減少も挙げられる。DisplaySearchは,多くの企業が「Windows XP」から「Vista」へのアップグレードを実施しなかったことから,多くの潜在需要が蓄積していると考えている。2009年10月に予定されている「Windows 7」の発売や景気の回復により,企業のノート・パソコン需要は急速に回復する可能性がある。しかしそれは2010年以降になると,DisplaySearchは見ている。

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