米Gartnerは米国時間2009年7月8日,ソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)のユーザー満足度について調査した結果を発表した。それによると,ユーザーの多くがSaaSの導入効果について何らかの不満を抱いており,SaaSは宣伝されているような完全無欠のソリューションではないと感じていることが分かった。

 「企業ユーザー向けの機能」や「プロバイダの対応」,「パフォーマンスの安定性」など16項目についてSaaSのユーザー満足度を評価してもらったところ,全体の平均点は7点満点中4.74点だった。また,今後2年間,SaaSの利用を現行水準にとどめるという企業は58%で,利用を拡大するという企業(32%)を上回った。5%は利用を停止,5%は利用を縮小すると答えた。

 SaaSを利用している企業に導入の決め手となった要因を尋ねると,「技術的な要件を満たしていること」が46%で最も多く,以下,「セキュリティとプライバシ,情報の機密性」(33%),「統合の容易さ」(29%),「企業オーナーに必要な機能」(29%)と続いた。

 SaaSについて検討したものの導入を見送った企業はその理由として,「コストの高さ」(42%),「統合の難しさ」(38%),「技術的要件を満たしていないこと」(33%)を挙げた。一般的にSaaSは,コスト削減効果があり,統合/技術要件も少ないと考えられているが,それに反する回答結果となった。

 調査は,SaaSを導入済みまたは導入を検討している米国/英国企業333社のユーザーを対象に,2008年12月に実施した。

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