米Gartnerは米国時間2009年6月25日,世界パソコン市場の見通しについて調査結果を発表した。それによると,2009年は出荷台数が前年比6%減の2億7400万台にとどまる。第2四半期と第3四半期の出荷台数は前年比で約10%縮小するが,第4四半期にはプラス成長に転じ,2010年は伸び率が前年比10.3%に達すると見込む。

 同社が3月に発表した見通しでは,2009年のパソコン出荷台数を前年比9.2%減と予測しており,5月中旬にはこれを同6.6%減に上方修正していた。同社アナリストは,「パソコン市場が上向いているように見えるが,底を打ち,回復に向かっていると断言するには時期尚早だ」と注意を促している。

 出荷台数が伸び悩んだ第1四半期において,ミニノートは好調だった。ミニノートの通期の出荷台数は2100万台に達し,2010年には3000万台まで伸びると予測する。半面,第1四半期は初めて前期比がマイナスを記録した。Gartnerは,この要因をEMEA(欧州,中東,アフリカ)地域における出荷台数の縮小と,価格低下が続くローエンド・モバイル・パソコンとの競争激化の影響だと説明している

 モバイル・パソコンは,通期の出荷台数が前年比4.1%増の1億4900万台に達するが,1台当たりの平均価格の低下が続いているため,売上高は同12.8%減となる。また,デスクトップ・パソコンの出荷台数は,同15.7%減の1億2500万台まで低下し,売上高は同26.6%減少すると見込まれる。モバイル・パソコンとデスクトップ・パソコンは2010~2011年に買い替えが進み,市場回復を後押しするという。

 2009年10月にリリースされる米Microsoftの新OS「Windows 7」については「パソコン市場に与える影響はあまりない」と予測している。

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