米ABI Researchが米国時間2009年6月11日に発表した調査結果によると,同年第1四半期の世界携帯電話出荷台数は2億5560万台で,前年同期を11.9%下回った。前期と比べると20%の減少となる。

 通常,ホリデー・シーズンで好調な第4四半期の反動により,翌年第1四半期の出荷台数は減少するが,当期は急激に落ち込んだ。「業界も消費者も守りの体勢に入ったことが原因」と同社ディレクタのKevin Burden氏は説明する。「利益を確保するために,携帯電話メーカーは製造を抑え,通信事業者と販売店は在庫を持たないようにしている。消費者は,今使っている携帯電話に欲しい機能がすべて備わっていることを認識し始め,買い換えを先延ばしにしている」(同氏)。

 最も出荷台数の減少幅が大きかった地域は中南米で,前年同期と比べ28%近く落ち込んだ。通貨下落により,輸入モデルの価格が高騰したことが要因。一方,停滞が懸念されているアジア太平洋地域は8%減にとどまった。

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