米Gartnerは中国で現地時間2009年6月3日,世界同時不況が中国のITハードウエア業界に及ぼした影響について調査した結果を発表した。それによると,中国の大企業の50%以上がハードウエア予算を不況前と同じ水準に維持,またはそれよりも拡大しており,同国のITハードウエア業界が,他国ほど不況の影響を受けていないことが分かった。

 ハードウエア予算削減の際には,パソコンやプリンタの予算が削られることが多く,サーバーやストレージの予算は比較的安定している。約70%の企業は,2009年のサーバーおよびストレージ予算を前年と同水準に維持した。

 世界不況にもかかわらず,中国の大企業は自社の経営状態に自信を抱いており,ITへの投資を今後も継続する構えだ,とGartnerは説明する。

 2009年に自社に投資する目的について尋ねたところ,多くの企業が「経営効率の向上」「従業員の生産性向上」「経営コストの削減」を挙げた。Gartnerのリサーチ・バイス・プレジデントを務めるJennifer Wu氏は,「コストを削減しつつ能率と生産性を高めたいと考えるITユーザーを支援できるITベンダーにとっては,中国は今でも比較的活気のある市場だ」と述べる。

 今回の調査では,24%の中国企業が,2009年にグリーンIT予算を増やしたことも明らかになった。

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