英Juniper Researchは英国時間2009年5月26日,携帯電話向け音楽サービス市場に関して,2013年までの展望をまとめ,発表した。それによると,世界的な景気減速にもかかわらず,音楽ストリーミング・サービス市場とフルトラックの音楽ダウンロード・サービス市場は堅調に拡大する。両サービスの売上高合計は,2009年の25億ドルから2013年には55億ドルへと,急成長を遂げる見通しである。

 同社によると,アプリケーションやコンテンツの多様化,データ・サービスの定額パッケージの普及,ユーザー・インタフェースの向上,携帯電話機の容量増加などが,成長の要因となる。また,着信音などの従来サービスは売り上げが減少するが,より高度なサービスが一気に普及する。iPhoneが3Gネットワーク経由でフルトラックのダウンロードを行えるようになったことなどが,刺激剤となる。

 携帯電話向け音楽サービスの売上高では中国と極東地域がトップ・シェアを占め,西欧が続く見通し。また,呼び出し音のダウンロード・サービスがアジア以外でも広まり,2010年には着信音の売上高を上回ることが予測される。

 同社はまた,広告収入に依存したビジネス・モデルを採用している音楽サービスは,景気低迷による広告の減少で,売上高が落ち込む可能性があるとみる。最悪の場合は,景気悪化前の予測と比べ,50%縮小する見込み。

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