米IBMは米国時間2009年5月21日,世界の企業によるLinux導入状況について調査した結果を発表した。それによると,技術的スキルをあまり必要としない電子メールや文書作成などにパソコンを使用するライト・ユーザーをまず対象にすれば,Linux搭載デスクトップ機の導入は多くのIT担当者が考えているよりも簡単に進められるという。
社内のLinux導入を経験したITプロフェッショナルによると,ライト・ユーザーを主な対象としてLinux搭載デスクトップ機を導入した場合,移動の多い職員やグラフィック・デザインなどの創作作業に従事する職員を対象にした場合と比べ,その成果は2倍以上高くなる。
調査を担当した英Freeform Dynamicsリサーチ・ディレクタのDale Vile氏によれば,「一部のユーザーは,デスクトップ環境に大きなこだわりを持っており,中にはWindowsに対して執着にも似た強い感情を持つ者もいる。Linux搭載デスクトップ機の導入を成功に導く秘訣は,そうしたユーザーのことは忘れて,デスクトップ機を仕事のための単なるツールと考えているユーザーに的を絞ることだ」という。
Linuxを導入した主な理由を尋ねると,「コストの削減」(71%)が最も多く,続いて「セキュリティ確保の容易さ」(35%)だった。また32%は,Linux搭載デスクトップ機の利点として「メンテナンスやサポートにかかる負担が少ないこと」を挙げた。
この調査は,IBMから委託を受けたFreeform Dynamicsが実施した。英国と米国,カナダ,オーストラリア,ニュージーランドのほか,西欧および北欧諸国のITプロフェッショナル計1275人を対象に,アンケート調査を行った。調査対象者の90%は,実際に自社でLinux搭載デスクトップ機を導入した経験があった。
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