ソフトウエア権利保護団体の米Business Software Alliance(BSA)は,世界における海賊版ソフトウエアの使用状況について調査した結果を米国時間2009年5月12日に発表した。それによると,2008年における世界のパソコン向けソフトウエアの違法コピー率は41%で,2年連続の上昇となった。海賊版による損害額は初めて500億ドルを突破し,前年比11%増の530億ドル(為替の影響を除いた場合は同5%増の502億ドル)に達した。

 調査は,米IDCがBSAの委託により110カ国を対象に実施したもの。これら調査対象国のうち,違法コピー率は16カ国で上昇したのに対し,全体の約半数に相当する57カ国で低下した。国の数では,違法コピー率が低下した国の方が多かったが,違法コピー率が高い中国やインドといった国でパソコンの出荷台数が急増していることを受け,全体では前年比3ポイント増の41%となった。

 違法コピー率が低いのは,米国,日本,ニュージーランド,ルクセンブルクの4カ国。これらの国の違法コピー率は約20%だった。一方,違法コピー率が高い国は,アルメニア,バングラディッシュ,ジョージア,ジンバブエなど。これらの国では違法コピー率が90%を超えている。

 米国は,違法コピー率が最も低い一方で,海賊版による損害額は91億ドルで最も大きかった。同国のここ数年における違法コピー率は20~21%前後となっているが,被害額は徐々に上昇している。

 地域別では,違法コピー率が高いのは中欧/東欧(67%)と中南米(65%),低いのは北米(21%)と欧州連合(35%)だった。

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