米Gartnerは米国時間2009年4月16日,アウトソーシング市場に関する調査結果を発表した。それによると,2008年は10億ドル以上の大口契約が前年比2件増の12件あったが,市場全体ではより規模が小さい契約が増加する傾向にあるという。

 大口契約の総額は,2008年が171億ドルで前年の120億ドルを上回ったが,2006年以前の水準には達していない。2000~2006年における大口契約の平均年間総額は280億ドルだった。

 アウトソーシング市場は,全体の契約件数が増加する一方で,契約額に低下傾向が見られる。2008年における5000万ドル未満の契約件数は2006年,2007年と比べて増加したが,5000万ドル以上の契約件数は減少している。契約総額は422億ドルで前年の295億ドルから増加したが,これは契約件数の増加が要因となっている。

 2008年は,25億ドル規模のアウトソーシング契約が2件締結されており,いずれもITアウトソーシング(ITO)とビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を組み合わせたものだった。この1つは,インドTata Consultancy Services(TCS)が受注したもので,同社にとって過去最大規模の契約となった。

 今後のアウトソーシング市場については,引き続き契約1件当たりの金額が低下し,契約期間も縮小するとGartnerは予測する。2009年上半期は,前年第4四半期におけるIT予算の締め付けの影響で契約件数が伸び悩み,その傾向は第3四半期まで続く可能性があるとしている。

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