パソコンの高性能・大容量化やリッチ・コンテンツの多用などによって,ローカル・ディスクに大量の情報を蓄積する傾向が高まってきている。その一方で,簡便さを求めてオンライン・ストレージ・サービスの利用,セキュリティ上の心配からシン・クライアントなどの利用も進展している。こうした多様なコンピューティング環境にあって,パソコン・ユーザーはハードディスク障害やウイルス感染などにどのように対処しているのだろうか。
そこで,仕事で使うパソコンのバックアップについて2009年4月7~9日,ITpro会員を対象にアンケート調査を実施した。回答者総数は2019人。年齢構成は20代が6.0%,30代が29.0%,40代が43.5%,50歳以上が21.4%と比較的高い。
過半数がパソコン障害にあい,セキュリティ心配で自ら復旧
まず,ハードディスク障害やウイルス感染などでパソコンが使えなくなり,痛い目にあったことがある人は64.1%もいた(図1)。そうした事態が起こった場合,自分で復旧する人が69.1%と圧倒的に多く,ベンダーやシステム部などに復旧を依頼する人は26.5%と少なめ(図2)。なかには手っ取り早く新しいパソコンを購入するという人も2.7%いた。そのほか「規定の手順で対処する」「上司の指示に従う」「知人に相談する」「あきらめる」という人もいた。
自分で復旧する人が多いのは,1つはセキュリティの心配があるからのようだ。ベンダー側でハードディスクを交換・廃棄する場合,情報漏えいなどを心配するかという問いに対し,非常に不安が33.7%,少し不安が51.2%で,両者を合計すると84.9%に及ぶ(図3)。一方,心配ではないという人も15.1%いた。
修理が必要な場合,パソコンが戻ってくるまでどのくらい待てるかという問いに対しては,3日以内が56.5%,1週間以内が35.4%(図4)。合計すると91.9%は待っても1週間が限度というところだ。