オーストラリアのメルボルン大学は現地時間2009年4月2日,職場での私的インターネット利用が生産性に及ぼす影響について調査した結果を発表した。それによると,私用でインターネットを閲覧する時間が総勤務時間の20%以下の場合,インターネットを私的に利用する人の方がそうでない人よりも生産性が約9%高かった。

 300人の労働者を対象に実施した同調査では,職場でインターネットを使う人の70%が私的利用を行っていることも分かった。利用目的の首位は,製品情報の検索とニュース・サイトの閲覧。オンライン・ゲームのプレイは5位,YouTubeでの動画閲覧は7位だった。

 メルボルン大学経営/マーケティング学部のBrent Coker博士によると,インターネットの私的利用によって生産性が向上するのは,人間が仕事に集中できる時間に限界があるからだという。「一定時間仕事をしたあとは,少しネット・サーフィンをするなどして休憩をとり,頭を休ませて集中力を取り戻す必要がある。こうすることで,集中して仕事に取り組める合計時間が長くなり,生産性が向上する」(同氏)。

 しかし,インターネットの私的利用も度が過ぎると生産性に悪影響を及ぼす,とCoker博士は指摘する。「オーストラリアのインターネット・ユーザーの約14%には,インターネット依存症の徴候が見られる。彼らは平均をはるかに上回る時間をオンラインで過ごし,ネット・サーフィン中にじゃまされると機嫌が悪くなる。こうした人たちのネット私的利用は,生産性を低下させる」(同氏)。

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