マイクロソフトがWindows Vistaの後継として開発を進めている次期クライアントOS「Windows 7」。このWindows 7について,ITproの読者はどのように考えているのだろうか。ITproでは「Windows 7に関する調査」を実施。3月9日~17日の調査期間で,2003人から回答を得た。

約9割に人がすでに知っている「Windows 7」

 最初に尋ねたのは,Windows 7の認知度である。「Windows 7を知っていましたか?」という問いに対して,89.7%と約9割の人が「知っていた」と答えた(図1)。まだ,「Windows 7」という言葉が報道に登場しはじめから1年ちょっと。マイクロソフトから情報が正式に出始めた2008年のPDC(Professional Developers Conference)から,まだ約5カ月しか経っていない(参考記事:PDC 2008レビュー)。確かに,PDC以降はいろいろな記事がITproだけでなく,いろいろなメディアから次々と提供されてきたという状況はあるものの,それらを考慮しても実際の製品登場まで半年以上あると思われる製品の認知度としては十分すぎるほど高いと言えるだろう。ITproが実施した「読者が選んだ2009年のキーワード」でも断然の1位となっており(参考記事:「Windows 7」が抜群の注目度,“Vista飛ばし”の影響か?),読者の関心が高いことがうかがわれる。

図1●Windows 7の認知度
図1●Windows 7の認知度
全回答者2003人のうち約9割がWindows 7を「知っていた」と答えた。

実際に使った人は少数だが,使ってみた人の評価は高い

 Windows 7は,今年に入ってからベータ版が公開されている。このベータ版は,Webから登録することで,だれでも入手可能だった。公開されたベータ版には,英語版だけでなく日本語版もあったため,日本のユーザーでも簡単に試せる状況だった。

 そこで,公開されたWindows 7のベータ版を試してみた人がどのくらいいるかを聞いてみた。すると,ベータ版を入手して実際にインストールしてみた人が14.3%,入手はしたもののインストールはしていない人が7.0%だった(図2)。合わせて,21.3%と5人に1人がベータ版を入手していることになる。だが,とりあえず入手はしてみたもののまだ試していないという人も,入手した中で3分の1いる。まだベータ版の段階と言うことを考えると,14.3%という数字が高いのか低いのかは判断が難しいところだが,実際に試してみた人はまだそれほど多くないことになるだろう。

図2●Windows 7ベータ版の試用率
図2●Windows 7ベータ版の試用率
21.3%と5人に1人以上の人がベータ版を入手している。だが,入手はしたものの,まだインストールしていない人も3分の1いる。

 続いて,ベータ版をインストールして実際に使ってみた人に,感想を聞いてみた。すると,「出来がいい」と評価した人が67.3%にも及んだ(図3)。つまり,使ってみた人の3分の2以上の人が高い評価を下したことになる。逆に,「出来が今ひとつ」と答えた人は15.6%と,「出来がいい」とした人の4分の1以下である。“Windows 7はベータ版の出来がいい”という記事がよく紹介されるが,実際に使ってみた人もほぼ似たような感想を持っているようだ。

図3●ベータ版を使った感想
図3●ベータ版を使った感想
67.3%と3分の2以上の人が「出来がいい」と高評価している。