米Marketspaceは米国時間2009年3月20日,クラウド・コンピューティングの今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,強力かつ安価で,エネルギ効率にも優れたクラウド・コンピューティングの普及は,消費者や企業に多くの社会的/経済的な利益をもたらすという。

 具体的には,導入および保守のコストが低いクラウド・コンピューティングの登場により,多くの起業機会が創出される。個人や中小企業は,以前は大企業でなければ利用できなかった高速な処理能力にアクセスし,生産性の向上や迅速な革新,コストの削減を図ることが可能になる。また,デスクトップおよびサーバー・ベースのコンピューティングに代わる新たな選択肢であるクラウド・コンピューティングの出現により,ソフトウエア市場における競争が再び活発になる。

 デジタル戦略およびマーケティングの専門家であるJeffrey Rayport氏とCBS News前社長のAndrew Heyward氏は,「米国にはクラウド・コンピューティングの分野で世界的なリーダーになれるチャンスがある。そして,そうなった場合に得られる経済的利益は計り知れない」と説明する。ただし,米国がリーダーになるためには,政府がクラウドに関する規制の制定と競争の奨励をバランスよく行う必要があると指摘している。

 クラウドを成功に導くために,政府が担う役割は大きい。政府は,ユビキタスなブロードバンド接続の提供やサイバー犯罪の取り締まり,公平で開かれたインターネット・アクセスの保護,政府自身によるクラウド・サービスの導入などを行うことで,クラウドが繁栄するための最適な環境を創出できる。

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