米Gartnerは米国時間2009年3月11日，スマートフォンの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると，2008年第4四半期の出荷台数は3814万台で，前年同期から3.7％増加した。第4四半期にスマートフォンがモバイル機器全体で占める割合は12％で，前年同期の11％からわずかに拡大した。
メーカー別にみると，フィンランドのNokiaが首位を維持したものの，出荷台数は1556万台で，前年同期と比べ16.8％落ち込んだ。同社のハイエンド製品「Nseries」が訴求力を失いつつあるなか，他社との競争が激化していることが原因。2位はカナダResearch In Motion（RIM）で，前年同期比84.9％増の744万台。3位は米Appleで同111.6％増の407万台だった。なお韓国のSamsungが前年同期から出荷台数を138％伸ばし，初めて上位5社にランクインした。
OS別では，Symbianが1794万台でトップの座を堅持したが，前年同期から21.6％減少した。市場シェアも前年同期の62.3％から47.1％へと，大幅に低下した。新たなプラットフォームの登場やNokiaのスマートフォン出荷台数の減少，日本のモバイル機器市場の不振などが響いた。2位はRIMの744万台で市場シェアが19.5％，3位はWindows Mobileの471万台で，シェア12.4％を獲得した。なおGartnerは，米Googleの携帯電話開発プラットフォーム「Android」がLinuxで占める割合は，約20％だと推測する。
2008年通年の出荷台数は1億3928万台で，前年比で13.9％増えた。メーカー首位は前年比0.8％増のNokia，2位は同96.7％増のRIM，3位は同245.7％急伸したAppleだった。
同社リサーチ・ディレクタのRoberta Cozza氏は，「2009年は，モバイル・プラットフォームの果たす役割とユーザー体験がさらに重視されることで，競争がますます激化するだろう」と予測した。
■ 2008年第4四半期の世界市場におけるスマートフォンのメーカー別出荷台数
2008年Q4 2007年Q4
メーカー 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 成長率
Nokia 15,561.7 40.8 18,703.3 50.9 -16.8
Research In Motion 7,442.6 19.5 4,024.7 10.9 84.9
Apple 4,079.4 10.7 1,928.3 5.2 111.6
HTC 1,631.7 4.3 1,361.1 3.7 19.9
Samsung 1,598.2 4.2 671.5 1.8 138.0
その他 7,829.7 20.5 10,077.3 27.4 -22.3
合計 38,143.3 100.0 36,766.1 100.0 3.7
出典：Gartner（2009年3月）
注）HTCの出荷台数は自社ブランド製品のみ
■ 2008年第4四半期の世界市場におけるスマートフォンのOS別出荷台数
2008年Q4 2007年Q4
OS 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 成長率
Symbian 17,949.1 47.1 22,902.5 62.3 -21.6
Research In Motion 7,442.6 19.5 4,024.7 10.9 84.9
Windows Mobile 4,713.9 12.4 4,374.4 11.9 7.8
Mac OS X 4,079.4 10.7 1,928.3 5.2 111.6
Linux 3,194.9 8.4 2,675.9 7.3 19.4
Palm OS 326.5 0.9 449.1 1.2 -27.3
その他 436.9 1.1 411.3 1.1 6.2
合計 38,143.3 100.0 36,766.1 100.0 3.7
出典：Gartner（2009年3月）
注）その他にはDangerプラットフォームを搭載したシャープのSidekickシリーズを含む。
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