米Gartnerが米国時間2009年3月2日に発表した世界パソコン市場の調査によると,2009年の出荷台数は前年比11.9%減の2億5700万台になる見通し。前年と比較した下げ幅としては,2001年の3.2%を抜いて過去最大となる。同社リサーチ・ディレクタのGeorge Shiffler氏は,「世界同時不況を受けて,ユーザーが買い換えサイクルを延ばしていることと,ベンダーが在庫を縮小していることが原因」と説明する。

 新興市場では前年比10.4%減,成熟市場では同13%減と,両市場で過去最大の落ち込みをみせると予測する。Shiffler氏によると,成熟市場では買い換え用パソコンが出荷台数の約80%を占めるため,買い換え延期から受ける影響がより大きい。

 ノート・パソコンは前年比9%増の1億5560万台,デスクトップ・パソコンは同31.9%減の1億140万台になる見通し。ノート・パソコンの成長はネットブックが好調なためで,ネットブックを除いた伸び率は2.7%にとどまる。

 ネットブックの世界出荷台数は,2008年の1170万台からほぼ倍増の2100万台にのぼる見込み。しかし,Gartnerによると,ネットブックが2009年のパソコン市場全体に占める割合はわずか8%で,ネットブックが市場全体の急激な落ち込みを防ぐことは難しい。

[発表資料へ]