パソコン向けのCPUが64ビット対応になってから約5年。サーバーでは当たり前の64ビット版OSだが,クライアント向けOSの代表格である「Windows XP/Vista」は32ビット版が主流だ。ただここにきて,4Gバイト超のメモリーを搭載する国内パソコンに64ビット版Windowsの採用が増えてきた。32ビット版では4Gバイトのメモリーを使い切れないからだ。

 そこでITproでは,「64ビットOSに関する調査」を実施。2006人の方から得た。調査期間は2009年2月10~17日を予定していたが,13日には想定していた回答者数を上回ったため調査を打ち切った。64ビットOSに対するITpro会員の関心の高さがうかがえた。

約2割のユーザーが日常的/試験的に利用中,利用率1位はXP

図1●クライアント向け64ビットOSの利用率
図1●クライアント向け64ビットOSの利用率(有効回答数2002)
約2割の回答者が日常的/試験的に利用中。「利用したことがない」との回答は約7割に達した。

 最初に聞いたのは,クライアント向け64ビット版Windowsの利用率だ(図1)。「日常的に利用中」または「試験的に利用中」との回答は約2割。約5人に1人は何らかの形で64ビット版Windowsに触れていることになる。

 一方,「利用したことがない」とした回答者の比率は68.5%。「過去に利用したが今は利用していない」と答えた人を足すと,7割超が64ビット版Windowsを使っていない。「利用を検討中」との回答は9.0%と1割未満にとどまった。

図2●クライアント向け64ビット版Windowsの利用場所と,OSの種類の関係
図2●クライアント向け64ビット版Windowsの利用場所と,OSの種類の関係
Windows XPの利用率が最も高く,Windows Vista,Windows 7と続く。「その他」の自由回答は,Windows Server 2003/2008などサーバー向けWindowsをクライアント用途で利用する回答が大勢を占めた。

 続いて利用中の64ビット版Windowsの種類と,利用する場所をそれぞれ聞いた。両者の関係を見てみると,仕事に関係する利用シーンではクライアント向け64ビット版の先駆けとなったWindows XPの利用率が5割を超えているのが分かる(図2)。

 家庭に限れば,64ビット版Vistaが5割に迫る勢い。ベータ・テスト中の64ビット版Windows 7も約2割のユーザーが利用中だ。