米ABI Researchは米国時間2009年2月5日,テレビによるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用について調査した結果を発表した。1000世帯以上にアンケートを実施したところ,SNSを定期的に利用しているユーザーの36%が,テレビからもSNSにアクセスしたいと考えていることが分かった。

 ユーザーの年齢層によって,テレビで利用したいSNS機能は異なっていた。若者がチャットやメッセージングなどに強い関心を寄せたのに対し,中高年はステータス情報の確認など,より受け身の行動に関心を示した。50歳を超える世代が最も興味を示したのは,友人が視聴しているテレビ番組のチェックだった。

 同社アナリストのJason Blackwell氏は,「人々は,さまざまな機器のスクリーンでビデオを見るようになったが,それと同様のことがSNSでも起こりつつある。エンターテインメントを共有し,共通の関心事を持つ人が集うSNSでその体験を深めたいと考える消費者が増えているため,“ソーシャル・テレビ”が普及するのは時間の問題だろう」と予測している。

 例えば,米Intelと米Yahoo!は共同でインターネット対応テレビの開発を進めており,テレビ向けウィジェット・フレームワーク「Widget Channel」を発表した(関連記事)。また,米News傘下の米Fox Interactive Media(FIM)が運営するSNSサイト「MySpace.com」も,テレビから利用できるようにするウィジェット「MySpace Widget for TV」を発表している(関連記事)。