スペインPanda Softwareの研究機関であるPandaLabsは,2008年に企業あてに送信された電子メールの分析結果を米国時間2009年1月28日に発表した。それによると,対象となった4億3000万通の電子メールのうち,正当な電子メールは8.4%だけだった。全体の89.88%をスパムが占め,1.11%は何らかのマルウエアに感染していた。

 スパムの割合は年間を通して変動している。月別で見た場合,80%を下回ったのは1月の76.27%だけで,スパムの割合が最も高かったのは4月の94.75%だった。検出されたスパムの内訳は,医薬品に関連した内容のものが全体の32.25%を占めた。同年は,景気低迷を背景に偽の求人や融資情報などのスパムが増加した。偽のブランド品の販売促進スパムは上半期に21%を占めたが,下半期は12.5%まで縮小している。

 マルウエアについては,「Netsky.P」の検出頻度が最も高かった。このマルウエアはInternet Explorer(IE)のぜい弱性を悪用するもの。感染したメッセージをMicrosoft Outlookのプレビュー・ペインで閲覧しただけで自動的にワームが実行される。このほかにも,バックドア型の「Rukap.G」やiframeタグを悪用して感染させるもの,トロイの木馬型の「Dadobra.Bl」などが多く検出された。