米IBMは米国時間2009年1月28日,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に関する調査結果を発表した。それによると,2012年にはSNSサイトの月間ユニーク・ビジター数が8億人を超える見通し。この急速に発展するSNS文化に対応しない通信サービス・プロバイダは,将来,市場シェアを失うことになるとIBMは警告する。

 2005年までSNSサイトが英語Webサイト・ランキングの上位20に名を連ねることはなかった。ところが2008年6月には,SNSサイトが上位20の約半数を占め,AOLやeBay,Amazonといった常連サイトを追い抜くものも登場した。

 SNSは当初,個人ユーザーを中心に普及していたが,最近はクチコミの威力に着目した企業が利用するケースが増えている。ターゲットを絞り,ユーザー同士の活発な交流を促すことで,ブランド・ロイヤリティ強化に活用している。

 SNSの普及により,人々の通信方法は1対1の双方向のやり取りから,多対多のコラボラティブなものへと移行しつつある。また,独自プラットフォームを基盤とする通信サービス・プロバイダに対して,よりオープンなプラットフォームを提供するサービス・プロバイダが優勢になってきている。このため通信市場には,米eBay傘下のSkype,米Google,米Microsoft,米Facebookなどが続々と新規参入し,インターネット・ベースのビジネス・モデルの下,さまざまなアプリケーションやツールを提供している。

 IBMのGlobal Business Services部門のChris Pearson氏によれば,「インターネットの広範な普及とインタラクティブな各種通信ツールの登場が,通信業界を再定義したことで,人々の通信方法は大きく変わりつつある」という。