米Dow JonesのVentureSourceが米国時間2009年1月17日に発表したベンチャ投資に関する調査結果によると,2008年第4四半期の米国におけるベンチャ投資額は過去3年間で最も低く,とりわけIT業界とヘルスケア業界への投資が大幅に落ち込んだ。IT業界向け投資は1998年以来最も低い金額だった。

 2008年第4四半期にベンチャ・キャピタル(VC)が米国企業に投資した額は55億ドル(成立件数は554件)で,前年同期の79億ドル(同718件)と比べ30%縮小した。2008年全体の投資額は合計288億ドル(成立件数は2550件)で,前年の314億ドル(同2823件)から8%減っている。

 業界別で見ると,2008年第4四半期のIT業界向け投資は22億ドル(成立件数は266件)で,前年同期の36億ドル(同355件)から39%減少した。2008年全体では116億ドル(成立件数は1237件)で前年の136億ドル(同1430件)から15%縮小した。

 ソフトウエア関連の投資は2008年全体で47億ドル(成立件数は556件)にとどまり,過去10年で最も低かった。2008年第4四半期の投資額は,1997年第1四半期以降最小の6億9000万ドル(成立件数は114件)。前年同期の15億ドル超(同159件)から54%落ち込んだ。

 Web情報サービス関連の年間投資額は27億ドル(成立件数は357件)で前年の23億ドル(同337件)から17%増加し,過去最高を記録した。しかし四半期ごとにみると,2008年第1四半期に過去最高額に達して以降,投資額は減少し続けている。

 一方,エネルギ業界への投資は活発化しており,2008年全体の投資額は約36億ドル(成立件数は124件)で前年と比べて倍増した。そのうち86%にあたる31億ドル(86件)を新規投資が占めた。

[発表資料へ]