米Forrester Researchは米国時間2009年1月13日,世界のIT支出について今後の展望を調査した結果を発表した。それによると,企業および行政機関による2009年のIT支出は1兆6600億ドルとなり,前年から3%減少する見通しだという。この数値は米国ドルで算出したものであり,前年比のIT支出が減少するのは7年ぶりとなる。2008年のIT支出は前年比で8%拡大していた。

 今回の予測は,米国およびそのほかの主要国における経済の停滞が2009年下半期に回復の兆しを見せることを想定して行われた。同年の世界のIT市場は停滞するが,2010年には回復に向かう見通しだという。

 IT支出を現地の通貨で見た場合,2009年の世界のIT支出は前年から2.5%増となる。地域別では,米国のIT支出は前年比1.6%拡大し,西欧および中欧は同1.3%の成長となる。東欧/中東/アフリカ地域は同5%成長し,アジア太平洋地域では3%拡大すると見込まれる。しかし,これらを米国ドルに換算すると,前年比の世界のIT支出が3%減少することになる。Forresterによれば,現在の為替変動は,世界のIT市場をけん引する要因の1つとなるが,一方で米国のベンダーにとってはマイナス要因になるとしている。

 IT支出を分野別で見た場合,ソフトウエアに対する支出は3880億ドルで前年と同水準となり,通信機器への支出は3530億ドルで同3%減となる。支出の縮小幅が最も大きくなると予測されるコンピュータ機器は4340億ドルで同4%減,ITサービスとアウトソーシングは4840億ドルで同3%減少すると予測する。

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