米Symantecは米国時間2009年1月12日,世界のデータセンターを対象に直面している課題について調査した結果を発表した。それによると,回答者の75%がユーザーの求めるサービス・レベルが上昇していると答えた半面,そのニーズに応えるのは困難になると予測する回答者が60%にのぼった。

 2009年の目標について尋ねると,「コスト削減」を挙げるデータセンターが最も多く37%。2位の「サービス・レベルの向上」(18%)と3位の「レスポンスの向上」(16%)の合計を上回った。

 データセンターが限られた予算でより多くの業務を処理するために取り組んでいるのは,「ルーチン業務の自動化」(42%),「社員が複数業務をこなすための研修」(40%),「データセンターの複雑さの軽減」(35%)などだった。

 また,人員確保が大きな課題であることが分かった。人員不足というデータセンターが36%を占め,人員過剰というデータセンターはわずか4%だった。また,適任者の確保に苦労しているというデータセンターは43%にのぼった。

 人員確保に苦労していることから,データセンターの45%が業務を外注していた。外注業務のトップ3は「障害対策」(46%),「バックアップ」(43%),「ストレージ管理」(39%)である。

 今後12カ月間の予算については,「増額予定」が50%,「減額予定」が16%,「現状維持」が34%だった。具体的には,「電力」(76%)や「アプリケーション」(72%)の予算を増やす予定のデータセンターが多かった。

 システム稼働率を尋ねると,サーバーは53%,ストレージは50%で,改善の余地が大きい。稼働率向上のための取り組みとしては,サーバーでは「統合」(80%)や「仮想化」(77%)を挙げるデータセンターが多い。ストレージでは「仮想化」(76%)が最も多く,次いで「継続的なデータ保護」と「ストレージのリソース管理」(各71%)が多かった。

 この調査は,米Applied Researchが委託を受け,2008年9~10月に21カ国のデータセンター1600社を対象に実施した。