米NPD Groupは米国時間2008年12月18日,米国の音楽小売市場に関する調査結果を発表した。それによると,同年第3四半期における有料デジタル音楽ダウンロードの売り上げは微増したものの,CDの販売枚数の急激な落ち込みにより,市場全体の需要は前年同期から2%縮小した。

 13歳以上のインターネット・ユーザーのうち,CDを購入した人の割合は前年同期の25%から22%に減少した。CDの販売枚数は,前年同期と比べ19%落ち込んだ。年齢別のCD購入枚数を見ると,10代(前年同期比34%減)と26~35歳(同36%減)のCD離れが顕著で,36歳以上でも同10%減少した。

 一方,有料デジタル音楽ダウンロードは,購入者数と販売楽曲数の両方で前年同期を上回った。iTunes StoreやAmazon MP3などのオンライン音楽ストアから音楽を購入したインターネット・ユーザーは全体の15%で,前年同期から2ポイント増加した。すなわち,音楽ダウンロード利用者が約280万人増えたことになる。

 NPDエンタテインメント業界アナリストのRuss Crupnick氏は,「有料ダウンロードの顧客ベースが着実に拡大しているのは喜ばしいが,CD売り上げの不振がそれを相殺している。音楽業界は,携帯電話やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など新たな販路を開拓する必要がある」と指摘する。

 ピア・ツー・ピア(PtoP)で音楽を共有するインターネット・ユーザーは14%と,前年同期から横ばいだが,PtoPサイトを介して共有される音楽ファイル量は同23%増えた。また,10代による有料デジタル音楽ダウンロードの利用は同34%増加しているものの,13~17歳のユーザーによるPtoPサイト経由のファイル・ダウンロードも同46%増と大幅に拡大した。