米eMarketerは米国時間2008年12月10日,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)向け広告支出に関する調査結果を発表した。2008年の支出は前年比33.8%増の12億ドル,2009年は10.2%増の13億ドルになる見通し。2008年5月時点では,それぞれ14億ドル,18億ドルと見込んでいた。
下方修正の理由としては,景気後退に加え,大手SNSサイトMySpaceの広告収入が伸び悩んでいることを挙げた。2008年から2009年にかけ,オンライン広告費全般が景気低迷の影響を受けるが,とりわけ新しい広告形態で,ROI(投資利益率)が実証されていないSNS向け広告費が打撃を受けるという。
また,2008年にMySpaceとFacebookが創出するオンライン広告費の予測を下方修正した。MySpaceは5億8500万ドル,Facebookは2億1000万ドルになる見通し。当初予測からそれぞれ22.5%,20.8%引き下げたことになる。2009年については,MySpaceが6億3000万ドル,Facebookが2億3000万ドルと予測する。
広告費を取り巻く状況は厳しいが,SNSは広告媒体として売上増加に有効だとeMarketerは指摘する。例えば,特定の製品やブランドに関するSNS利用者の投稿をモニタリングすることは,効果的な広告展開に不可欠だとしている。