移動電話機(携帯電話機とPHS電話機)の2008年10月の国内出荷台数が,6割近い大幅な前年実績割れとなった。電子情報技術産業協会(JEITA)が12月10日に発表した国内出荷実績によると,10月の総出荷台数は108万台であり,前年同月に比べて57.8%の大幅な減少となった。前年実績割れは4カ月連続である。

 製品別でも,携帯電話機が前年同月に比べて56.1%減少の101万7000台,PHS電話機が同73.9%減少の6万3000台にとどまった。携帯電話機とPHS電話機のいずれも,前年実績割れは4カ月である。

 これまで好調な出荷を維持してきたワンセグ(携帯端末向け地上デジタル放送
対応携帯電話機も不調だった。10月の出荷台数は72万6000台であり,同8.7%の減少となった。ワンセグ搭載率(携帯電話機全体に占めるワンセグ対応機の比率)は71.4%である。

 10月の出荷実績が不振だった理由についてJEITAは,(1)夏モデルから冬モデルへの切り替えの谷間の時期に当たったこと,(2)ワンセグ対応機がけん引した前年同月の反動があった,(3)販売方式の見直しによって端末価格が従来よりも相対的に上昇した,(4)旧機種の安売りがなくなったことで,一部の消費者が様子見をした──といった点を挙げている。その背景には,「リーマンショック」に端を発する世界的な金融危機によって国内需要が急減速し,在庫の増加を避けたい携帯電話事業者がメーカーへの発注調整を行ったことがあるようだ。