市場調査会社の米Gartnerは,世界携帯電話機市場に関する調査結果を英国時間2008年11月25日に発表した。同年第3四半期の販売台数は前年同期比6%増の3億900万台で,前年同期の成長率16%を大幅に下回った。

 ベンダー別に見ると,フィンランドNokiaが市場シェア38.2%で首位を堅持。しかし,成熟市場と新興市場における買い換え需要が鈍化ししたため,販売台数は前年同期からあまり伸びなかった。

 2位は市場シェア17.1%を獲得した韓国Samsung。「Tocco」や「Omnia」といったタッチスクリーン搭載モデルや,中価格帯モデルに注力したことが奏功し,販売台数が前年同期から26.3%増加した。

 スウェーデンEricssonとソニーの合弁企業Sony Ericssonが市場シェア8.1%で3位につけ,米Motorola(8.0%)と韓国LG Electronics(7.8%)が僅差で続いた。

 地域別に見ると,北米が前年同期比4.5%増の4700万台。カナダResearch In Motionによる製品系列の拡充や,米AppleのiPhone 3Gといったスマートフォンが成長をけん引した。EMEA(欧州,中東,アフリカ)地域は同13.1%増の5780万台。日本を除くアジア太平洋地域は,インドや中国といった新興市場が好調で,同13.8%増の1億1670万台。日本は同28%減の940万台で,買い換え需要が伸びなかったほか,高機能モデルの不振が影響した。西欧は前年同期からわずかに減少し,中南米は同5.5%増加した。

 Gartnerモバイル・デバイス担当リサーチ・ディレクタのCarolina Milanesi氏によると,第3四半期の販売台数が予測を下回ったほか,魅力的な製品に欠けることなどを考え合わせると,2008年の成長率は前年比約8%増になる見込み。また,2009年上半期の見通しも厳しく,同年の成長率は1ケタ台前半にとどまると見る。