インターネット上の詐欺行為撲滅を推進する非営利団体のAuthentication and Online Trust Alliance(AOTA)は米国時間2008年11月20日,デジタル証明書「Extended Validation Security Socket Layer(EV SSL)」の導入状況について調査した結果を発表した。それによると, 2008年はEV SSL証明書を導入するWebサイトが急増しており,その数は現在1万を超えると推計される。AOTAが電子商取引やオンライン・バンクのサイトに対して最初に導入を呼びかけた10カ月前には,導入サイト数は4000程度だった。

 EV SSL証明書は,増加するインターネット上の詐欺行為への対策として,より厳格な審査によって発行されるデジタル証明書。Webサイトの正当性の検証をサポートする。EV SSLを導入したWebサイトを訪問すると,Webブラウザのアドレス・バーが緑色に変わる。

 同日,米内国歳入庁(IRS)は個人向け所得税の電子申告サービスのプロバイダに対して2009年1月1日からEV SSL証明書の取得を義務付ける計画を発表した。電子申告サイトにプライバシ保護ポリシーについて掲載させ,セキュリティやプライバシの侵害があった場合には直接IRSに報告するように義務付ける。

 AOTAが最初にEV SSL証明書のサポートを表明した時点では,この証明書に対応するWebブラウザは米Microsoft の「Internet Explorer 7(IE7)」だけだった。それから10カ月のうちに,米Appleの「Safari 3.2」,米Mozilla Foundationの「Firefox 3」,米Googleの「Chrome」,ノルウェーOpera Softwareの「Opera 9.5」も対応した。IE次期版のIE8もEV SSLに対応する。