富士経済は11月20日、化粧品市場について調査・分析した結果を発表した。それによると、2008年の同市場は前年比0.3%増の2兆2463億円規模になる見通し。また販売チャネルでは、インターネットやモバイル通販の利用が拡大し、「通信販売」が急伸しているという。

 調査では、「化粧品店・薬局・薬店」「ドラッグストア」「量販店」「百貨店」「バラエティショップ」「コンビニエンスストア」の店舗販売6チャネルと、「訪問販売」と「通信販売」の無店舗販売2チャネルを分析した。2008年は店舗販売が前年比0.2%増の1兆7952億円規模、無店舗販売が同0.7%増の4511億円規模になる見通し。

 チャネル別にみると、2008年に大きな成長が予測されるのは「通信販売」。インターネットの急速な普及とともに、オンライン通販の実績が大幅に伸びており、前年比4.3%増になる見込み。無料サンプルおよび有償サンプルの提供、トライアルキットや使用開始後の返品サービスなどによって、実物を見ることができない消費者の不安を解消している。

 「百貨店」はスキンケア意識の高まりを受けて、高機能スキンケア化粧品に需要が集まっていることから、前年比1.2%増になる。「バラエティショップ」は話題商品を販売したり、オーガニック化粧品や自然派化粧品を専門に扱うなど、多様化する消費者のニーズをすくい上げて、同2.1%増を見込む。「ドラッグストア」は前年比1.9%増になる見通しだが、2009年4月の改正薬事法の施行後は、スーパーやコンビニでもなどでも一般用医薬品の販売が可能になることから、化粧品販売への影響が懸念される。

 一方、低迷が予測されるのは、店舗数自体が減少傾向にある「化粧品店・薬局・薬店」(同1.8%減)と、「量販店」(前年比1%減)。量販店は、オリジナルブランドによって差別化がしやすい食料品や衣料品などに注力する傾向があり、化粧品の取り組みは後手に回っているという。

■関連情報
・富士経済のWebサイト https://www.fuji-keizai.co.jp/