携帯電話・PHS事業者各社は2008年11月10日,2008年10月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。新規契約数から解約数を差し引いた月間純増数はソフトバンクモバイルが11万8400増と18カ月連続で首位を維持。携帯電話市場は成長期から成熟期にシフトしていることに加え,10月は商戦期の端境期ということもあり,純増数は全体的に低い水準となった。

 純増数の2位はイー・モバイルの10万2500増。「ネット・ブックとのセット販売が引き続き好調で,取り扱い店舗や対象機種も増えている」(イー・モバイル)。10月10日に販売を開始した台湾HTC製のタッチパネル搭載端末「Touch Diamond」(S21HT,関連記事)も「非常に好調」という。以下,KDDIが4万6700増,NTTドコモが3万2700増と続く。

 番号ポータビリティ(MNP)による転入出も長期契約を前提とした割引サービスが浸透し,制度の開始以降,最も低い利用水準となった。各社の転入出状況は,ソフトバンクモバイルが1万4200件,イー・モバイルが700件の転入超過。KDDIが1600件,NTTドコモが1万3300件の転出超過である。 KDDIの転出超過は2006年10月のMNPの開始以降,2度目となる(前回はソフトバンクモバイルがiPhone 3Gを発売した2008年7月,関連記事)。一方,NTTドコモの転出超過はMNPの開始以降,最も少なかった。

 なお,NTTドコモとソフトバンクモバイルの純増数には,1台で2契約とカウントするサービスの利用分が含まれている。純増数に占める利用分はNTTドコモの「2in1」が1800,ソフトバンクモバイルの「ダブルナンバー」が1000である。NTTドコモの2in1の累計契約数は今回,初めて純減を記録し,前月比7600減の44万6500件となった。ソフトバンクモバイルのダブルナンバーの契約数は累計4800件である。

 2008年10月末時点の携帯電話全体の契約数は1億513万3800件。各事業者の累計契約数は1位のNTTドコモが5396万9600件,2位のKDDIが3049万8400件,3位のソフトバンクモバイルが1975万1600件,4位のイー・モバイルが91万4200件である。PHS事業者のウィルコムは前月比2万2700減の456万3800件。 ウィルコムは2008年8月から3カ月連続の純減である。