市場調査会社の米IDCは米国時間2008年11月3日,同年第3四半期におけるパソコン向けプロセサの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,総出荷数は前期比で14%,前年同期比で15.8%増加し,記録的な水準に達した。米Intelの低価格小型ノート・パソコン向けプロセサ「Atom」が好調だった。Atomを除いた場合,総出荷数の伸び率は前期比8.3%増,前年同期比8.7%増となる。

 市場全体の総売上高は,前期比7.6%増,前年同期比4.1%増の83億ドル。出荷数ベースのメーカー別シェアは,Intelが1.1ポイント増の80.8%,米AMDが1.2ポイント減の18.5%だった。

 両社の市場シェアをフォーム・ファクタ別に見ると,モバイル・パソコン向けではIntelが0.8ポイント増の87.4%,AMDが1.1ポイント減の11.5%,PCサーバー/ワークステーション向けではIntelが0.6ポイント減の85.6%,AMDが0.6ポイント増の14.4%,デスクトップ・パソコン向けではIntelが73.5%,AMDが26.4%でほとんど変化がなかった。

 今後もAtomの大量出荷が見込まれることなどから,IDCは2008年通期の出荷数予測について,前年比18%増に上方修正した。しかし,世界的な需要の冷え込みが予想されることや,IntelとAMDの両社が今後の市場見通しについて不安視していることなどから,IDCは2009年通期の出荷数予測については下方修正する見通しである。