市場調査会社の米Gartnerは英国時間2008年10月22日,世界の業務アプリケーション(エンタプライズ・アプリケーション)市場に関する調査結果を発表した。それによると,SaaS(Software as a Service)の売上高が,前年の51億ドルから27%増の64億ドルを上回るペースで伸びているという。さらに同社は,2012年の売上高がこの2倍以上の148億ドルに達すると見込んでいる。

 同社アナリストによれば,業務アプリケーション市場におけるSaaS導入は,既存業者に対する新規参入業者の挑戦や,SaaSプラットフォームへの関心の高まりなどが要因となって進行している。過去4年間でオンデマンド・モデルの人気は急上昇しているが,当初は多くの企業がセキュリティや応答時間,サービスの可用性といった問題を懸念していた。しかし,これらの懸念は,SaaSビジネスとコンピューティング・モデルが成熟し,導入が広まったため払拭されたという。

 また,企業がIT予算の削減方法を検討しているほか,ブロードバンド・サービスの普及や,特定業務への迅速な導入が可能なソフトエアへのニーズの高まりといった業界のトレンドも,SaaSの世界的な成長を促進する要因になっているという。