図1●缶ビールのデザイン
図1●缶ビールのデザイン
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図2●日本酒瓶の形
図2●日本酒瓶の形
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 早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所とインターネット調査サービス「gooリサーチ」を運営するNTTレゾナントは10月14日、缶ビールと日本酒のパッケージデザインに関する調査結果を発表した。それによると、20歳代や30歳代の若い世代は非典型的なデザインを好意的に評価する傾向があることなどが分かった。アルコール離れが進むと言われる若い世代へのアプローチ方法として、新奇性を訴求できるパッケージデザインを採用して、商品展開することが効果的と分析している。

 左右対称のデザイン(5種類)、非対称のデザイン(5種類)、中間的なデザイン(5種類)の計15種類の架空の缶ビールパッケージデザイン(図1)を示し、目新しさの度合いについて回答してもらったところ、20歳代では非対称になればなるほど目新しいと感じる傾向があった。回答者全体では、顕著な違いは見られなかった。また、左右対称のデザインを典型的と感じる回答者が多かった。

 缶ビールに対する好意度では、30歳代以上の半数以上が「好き」と答えたのに対し、20歳代では40%以上が「嫌い」と答えた。飲用頻度でも20歳代で週1回以上の人は40%程度で、「ほとんど毎日」飲む人は12.2%にとどまった。日本酒に対する好意度や飲用頻度についても、上の世代ほど数値が高まる傾向はあるものの、世代による大きな違いは缶ビールほどなかった。

 また気に入っている缶ビールのブランドが「ある」と回答した人は40歳代、50歳代では約70%を占めたが、20歳代では約半数にとどまった。ただし、目新しいブランドを手に取るかどうかについては、20歳代の半数以上が「手に取る」と回答しており、50歳代、60歳代を上回った。

 日本酒瓶の形状については、典型的な形状(2種類)、非典型的な形状(2種類)、中間的な形状(3種類)の計7種類の瓶(図2)から無作為に選んだ1本を回答者に示し、デザインの魅力度、購入意向、製品の信頼度について尋ねた。20歳代や30歳代では、非典型的な形状の瓶に魅力を感じ、購入してみたいと思う人が多かったが、50歳代や60歳代では顕著な違いはなかったという。

 調査は、全国のgooリサーチ登録モニターを対象に、アンケート形式で実施した。調査期間は2008年9月1日―9月4日。有効回答数は1093件。回答者の属性は、男性が539人、女性が554人。年齢は、20歳代から60歳代までの各年代でそれぞれ220人程度。

■関連情報
・早稲田大学のWebサイト http://www.waseda.jp/
・NTTレゾナントのWebサイト http://www.nttr.co.jp/