セキュリティ・ベンダーの英MessageLabsは英国時間2008年10月6日,同年の9月および第3四半期におけるウイルスや迷惑メール(スパム)の状況についてまとめた調査結果を発表した。それによると,9月はスパム数が前月から8%減少した。この要因は,米カリフォルニア州を拠点とするスパム容認プロバイダの米Intercageが同月20日に上流プロバイダからサービスを打ち切られたこと。ホリデーシーズンに向け再びスパムが増加する見込みであり,9月のスパム減少は一時的な現象と同社は見ている。
9月の電子メール・トラフィックに占めるスパムの割合は70.1%で,前月から8.1%低下した。今期(第3四半期)を通して見ると,前期から1.1%の低下となり,前年第4四半期と同水準となった。一方,ウイルス感染メールの割合は131.7通に1通(0.76%)で,前月から0.4ポイント低下したが,今期で見ると前年同期以降で最高の水準となった。
9月のフィッシング詐欺メールの割合は288.1通に1通(0.35%)で,前月から0.16ポイント上昇した。電子メールを使った攻撃のうち,フィッシング詐欺メールの割合は同29%減の45.7%に低下している。フィッシング詐欺メールは2008年に入ってから急速に減少しており,今期は2006年第2四半期以降で最低の水準となった。
MessageLabsが9月に遮断したマルウエアのうち45.9%は新種だった。同社はスパイウエアやアドウエアに感染させる新しいWebサイトを1日当たり平均3660件検出しており,この数は前月から22.8%増加している。
9月は,従業員による不適切なWebサイトへのアクセスを遮断する企業が増加した。大半の企業は,午前7時~午後5時まで不適切なコンテンツへのアクセスを遮断するようにポリシーを設定している。MessageLabsのURLフィルタリング・サービスが遮断したトラフィックの28.9%は,従業員が昼休みとなる午前11時~午後1時にアクセスを試みたものだった。また,遮断したトラフィックのうちアダルト系コンテンツへのアクセスは1.7%だった。