米IBMは米国時間2008年9月30日,米国と英国の消費者約4300人を対象にマルチチャネル販売における買い物の動向について調査した結果を発表した。マルチチャネル販売は発展途上の分野であり,IBMは「小売業者が期待通りに売上高を伸ばすためには,消費者を購入に導く要因を理解する必要がある」としている。

 マルチチャネル販売で購入されている製品をカテゴリ別に見ると,最も頻繁に購入されているのは家電製品で,続いてアパレル/アクセサリ&靴,日曜大工/DYI製品の購入が多かった。衝動的に購入されている製品は,米国ではアパレル/アクセサリ&靴と食料品が多く,英国では食料品が最も多い。

 購入方法としては,回答者の75%以上が「実店舗よりもオンライン・ショップを好む」と回答。「オンライン・ショップよりも実店舗を好む」が7%強,「コール・センターよりもオンライン・ショップを好む」が3%強だった。これらの回答は,米国と英国の消費者の間でほぼ同じ割合となった。

 マルチチャネルで買い物をする消費者を年齢で見ると,米国では18~24歳のグループが最も多く,英国では25~34歳のグループが最も多かった。

 回答者の46~50%は,異なるチャネルで購入する際に小売業者を変更した経験があると答えている。多くの消費者は,購入先を変更した最大の理由として「価格」を挙げており,「便利さ」や「在庫状況」などが続いた。

 ちなみに,市場調査会社の米Forrester Researchの調査結果によれば,2012年までに小売販売の約40%がオンライン・ショップおよびクロスチャネル販売の影響を受けるようになると推定されている。クロスチャネルの売上高は,2007年に5100億ドルに達しており,小売販売の総売上高の20%を占めた。今後,すべての小売部門においてクロスチャネルの売上高が年平均成長率17.3%で拡大し,2012年までに1兆1000億ドルを上回ると見込まれている。