市場調査会社の米IDCは米国時間2008年9月25日,日本を除くアジア太平洋(APEJ)地域における2008年上半期のパソコン用モニター出荷台数に関する調査結果を発表した。それによると,総出荷台数は2810万台で,前年同期と比べ7.2%増加したものの,2007年下半期からは1.1%減少した。また,2007年下半期と比べると,CRTモニターは31.2%落ち込み,液晶モニターは5.1%増加した。

 この調査結果について,同社アジア太平洋地域パーソナル・システム・リサーチ担当上級アナリストのYoong Siat-Siah氏は,「2008年第2四半期に,多くの国がインフレの影響を受けた。消費者の購買力はもちろん,企業による支出も短期的に落ち込んだ」と説明する。

 メーカー別に見ると,首位は韓国Samsung,2位は中国Lenovoだった。中国AOCが急伸して3位に食い込んだ。以下,米Hewlett-Packard,韓国LG Electronics,台湾Acerと続く。 上位6社で市場の60%強を占めており,2007年下半期の59.9%から微増した。上位6社にAOCが食い込んだ代わりに,米Dellが脱落した。

 製品別に見ると,APEJ地域では19インチ液晶モニターが主流となりつつある。また,15~17インチを中心にワイド液晶モニターの人気が高まっており,ワイド液晶モニター全体の出荷台数は2007年下半期から32.1%増加した。

 液晶モニターはこれまで,中国やインド,ASEAN(東南アジア諸国連合)など,価格が主な購買決定要因となる国々ではCRTモニターの牙城を崩せないでいた。しかし,15インチと16インチの液晶モニターがCRTモニターとほぼ同程度の価格帯で販売されるようになった結果,これらの国でも液晶モニターへの移行が徐々に進みつつある。

 2008年下半期の見通しについては,買い換え需要が見込めるニュージランドをはじめ,中国,インド,インドネシア,フィリピン,タイ,ベトナムなどの成長が要因となり,前年同期と比べ3.2%,2008年上半期より4.4%成長すると予測している。