朝,家を出たビジネスパーソンが,コンビニで雑誌を買い,通勤電車の改札を通過し,エキナカで朝食を食べる。自動販売機で買ったコーヒーを飲み,改札を出て職場へと向かう。昼食はカフェでサンドウィッチ。空いた時間で文房具を購入。残業が深夜に及び,タクシーで帰宅する――。今,このすべてのシーンで,電子マネーを使えるようになりつつある。電子マネーは,徐々に,確実に,生活に浸透している。

 その種類も増えてきた。タイプとしては,カードタイプの「ICカード型」と,携帯電話に組み込む「携帯アプリケーション」がある。事業者ごとの種類で見ても,主なものだけで10種類以上あり,それぞれ特徴がある。人によって使い方も様々である。皆は,どんな電子マネーを選び,どんなふうに使っているのだろうか。そんな問題意識から,ITproでは2008年9月8日から9月16日にかけて「電子マネーに関する利用状況の調査」を実施した。2025人から有効回答を得た。

携帯アプリで使用しているのは5人に1人

 まずは,その利用状況から(図1)。電子マネーを使用している人の合計は8割に達している。その内訳は,「ICカード型を使っている」が最も多く53.9%だった。「ICカード/携帯アプリケーションの両方を使っている」が16.8%,「携帯アプリケーションで使っている」が9.2%である。携帯電話のアプリケーションとして使っている人は,全体の5分の1。今は,面倒な設定が要らないICカード型が多いようだ。

図1●電子マネーの利用状況(回答者数2025人)
図1●電子マネーの利用状況(回答者数2025人)

6割以上の人が2種類以上を使用

 使用している電子マネーの数を集計してみた(図2)。1種類だけの人は,使用している人のうち37.5%にとどまった。残りの6割以上の人が2種類以上の電子マネーを使用しているのである。最も多い人はなんと12種類だった。電子マネーの種類は増える一方である。クレジットカードを何枚も持つのが当たり前であるのと同じように,電子マネーも複数種類を使い分けるのが当たり前になってきたようだ。

図2●利用している電子マネーの数(回答者数2010人)
図2●利用している電子マネーの数(回答者数2010人)