市場調査会社の米IDCはシンガポールで現地時間2008年9月18日,日本を除くアジア太平洋地域(APEJ)のMP3プレーヤ市場に関する予測・分析をまとめた報告書を発表した。それによると,MP3プレーヤの出荷台数伸び率は,2009年に4.4%まで鈍化し,2012年にはマイナスに転じる見通しだという。
成長鈍化の要因としては,音楽再生機能を搭載した携帯電話など競合製品の人気が高まっていること,およびオーストラリアやシンガポールの市場が飽和状態に達していることを挙げている。
「MP3プレーヤの出荷台数伸び率は2006年に21.6%まで上昇したあと,2007年には8.4%に低下した。2008年の出荷台数は1960万台で,伸び率は6.3%にとどまる見通しである」(IDCアジア太平洋地域パーソナル・システムズ・リサーチ部門ディレクタのBryan Ma氏)。
「APEJ全体で見るとMP3プレーヤ市場の伸び率は著しく鈍化しているが,中国とインドでは若者の関心の高まりもあり,今後しばらくは大きな成長が期待できるだろう。両国では引き続き,ディスプレイなしで1G~2Gバイトのフラッシュ・メモリー内蔵のMP3プレーヤが主流になるだろう」(同部門副アナリストのTsu Ann Tham氏)。
ハードディスク内蔵のMP3プレーヤは今後段階的に減少していき,2011年には成熟市場から姿を消すとIDCは予測する。ただし,ハードディスク内蔵の携帯型製品は,韓国市場が先導する形で今後も成長を続けるという。韓国では,動画再生機能を備えたポータブル・メディア・プレーヤ(PMP)の人気が高まっている。