市場調査会社の米Forrester Researchは米国時間2008年9月17日,米国のオンライン小売市場に関する調査結果を発表した。それによると,景況の悪化にもかかわらず,オンライン小売業者は今後12カ月間の展望を楽観視している。景気減速時には,オフラインよりもオンラインの売り上げが伸びると考える業者が72%にのぼった。

 オンライン小売業者の35%は今後12カ月間に予測よりも売り上げが伸びると見ている。これに対し,予測通りになると見る業者は33%だった。「オンライン小売業者は,家計をやり繰りする消費者が,お買い得商品と利便性を求めてオンライン・ショップを利用することを知っている」(Shop.org執行ディレクタのScott Silverman氏)というわけだ。

 こうした楽観的な見通しは,2007年の実績に裏付けられている。同年に収益を上げたオンライン小売業者は81%にのぼり,うち75%は前年の収益を上回ったと回答した。また2007年は,平均成約率が前年を超えた業者が49%にのぼり,売上高に占めるリピート客の割合も前年を上回る36%だった。

 半面,今回の調査では景気低迷を考慮して売上予測を下方修正したオンライン小売業者も37%あった。

 オンライン・ショップ利用者の約半数は,店舗やカタログといったほかのチャネルでも製品を購入している。したがって,「複数の販売チャネルを持つオンライン小売業者は,各チャネルを連携させて一貫した顧客体験を提供することが重要だ」とForrester Researchは指摘している。

なお,本調査は188社の小売業者を対象に,全米小売業協会(NRF)のオンライン部門であるShop.orgと共同で2008年2~7月に実施された。