調査会社の米comScoreは米国時間2008年9月11日,同年6月におけるオンライン証券サイトの利用状況に関する調査結果を発表した。それによると,ユニーク・ビジター数は前年同月と比べ14%増加し,インターネット人口の成長率6%を大きく上回った。

 各サイトのユニーク・ビジター数を見ると,「Fidelity Investments」が前年同月比9%減の300万人だったが,トップの座を維持した。2位は「Scottrade」で同26%増の160万人,3位は「E*Trade Financial Network」で同12%増の120万人だった。

表1 2008年6月におけるオンライン証券サイトのユニーク・ビジター数

オンライン証券サイト ユニーク・ビジター数(1000人) 成長率
2007年6月 2008年6月
Fidelity Investments 3,302 3,018-9%
Scottrade Sites 1,255 1,58526%
E*Trade Financial Network 1,096 1,22612%
TDAMERITRADE.COM 1,066 1,1084%
SCHWAB.COM 821 719-12%
TROWEPRICE.COM 324 3384%
ZECCO.COM N/A 160N/A
TRADEKING.COM N/A 71N/A
インターネット人口 178,839 189,8736%
オンライン・トレーディング人口 10,553 12,07914%
注1)家庭,職場,大学のユーザーを含む
注2)一部の証券サイトを選んで分析したため,オンライン証券サービス全体のランキングとは異なる
出典:comScore Media Metrix

 comScore金融ソリューション部門担当ディレクタのBrian Pugh氏は,「一見矛盾しているようだが,景気が低迷すると,財政に敏感になった消費者が活発に金融関連サイトを利用するという傾向がある」と説明する。「また,消費者は少しでも節約するために,サービスの乗り換えにも積極的になる。そのような消費者を取り込むために,オンライン広告に投資を惜しまない証券会社が多い」(同氏)。

 検索ベースの有料広告を最も積極的に導入しているのは「E*Trade.com」。同社のインプレッション数は640万回に達し,今年に入って2位以下との差を拡大している。2位は350万回の「Scottrade」,3位は320万回の「TD Ameritrade」だった。

表2 2008年6月におけるオンライン証券サイトにおける検索ベースの有料広告の利用状況

オンライン証券サイト 検索ベースの有料広告によるインプレッション数(1000回) インプレッション数シェア ユニーク検索者数(1000人)
E*Trade 6,390 31.7% 2,846
Scottrade 3,546 17.6% 1,588
TD Ameritrade 3,198 15.9% 1,533
Charles Schwab 3,036 15.1% 1,249
Fidelity Investments 2,133 10.6% 1,005
Zecco 1,127 5.6% 593
Trade King 541 2.7% 264
T. Rowe Price 191 1.0% 108
注1)家庭,職場,大学のユーザーを含む
注2)シェアは8社合計に対する比率
出典:comScore Media Metrix

 ディスプレイ広告では,閲覧数が12億回を超える「Scottrade」がトップ。以下,「E*Trade」(5億4900万回),「Fidelity Investments」(4億9800万回)が続いた。

 「ScottradeとE*Tradeが精力的に広告を展開している。しかし新規参入のZeccoとTrade Kingも早期からSEM(検索エンジン・マーケティング)に注力している様子がうかがえる」(Pugh氏)。

表3 2008年6月におけるオンライン証券サイトにおけるディスプレイ広告の利用状況

オンライン証券サイト ディスプレイ広告による閲覧数(1000回) 閲覧数シェア ユニーク閲覧者数(1000人)
Scottrade 1,233,110 45.5% 67,598
E*Trade 549,405 20.3% 60,692
Fidelity Investments 498,329 18.4% 40,345
TD Ameritrade 313,808 11.6% 33,208
Zecco 59,896 2.2% 6,945
Trade King 25,537 0.9% 1,494
Charles Schwab 19,796 0.7% 3,617
T. Rowe Price 8,433 0.3% 2,724
注1)家庭,職場,大学のユーザーを含む
注2)シェアは8社合計に対する比率
出典:comScore Media Metrix