市場調査会社の米Gartnerは英国時間2008年9月8日,スマートフォンの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,同年第2四半期の出荷台数は前年同期比15.7%増の3220万台に達した。スマートフォンがモバイル機器全体に占める割合は11%で安定して増加している。

 地域別の出荷台数を見ると,北米市場の伸び率が最も高く,前年同期から78.7%の成長を記録した。同市場は,全世界のスマートフォン小売台数の約25%を占めた。EMEA(欧州,中東,アフリカ)地域は,西欧での販売好調などにより,前年同期比21%増だった。一方,日本を除くアジア太平洋地域は同4.8%減少し,日本は同24%落ち込んだ。

 メーカー別では,フィンランドNokiaの出荷台数が1530万台(市場シェア47.5%)で首位を維持したが,伸び率は8.1%で市場全体の伸び(15.7%)の約半分にとどまった(表1)。2位は560万台のカナダResearch In Motion(市場シェア17.4%),3位は130万台の台湾HTC(同4.1%)だった。

表1 2008年第2四半期の世界市場におけるスマートフォンのメーカー別出荷台数

メーカー 2008年Q2 2007年Q2 伸び率(%)
出荷台数(台) 市場シェア(%) 出荷台数(台) 市場シェア(%)
Nokia15,297,900 47.5 14,151,68950.8 8.1
Research In Motion 5,594,15917.4 2,471,200 8.9126.4
HTC1,330,825 4.1 605,9002.2 119.6
シャープ1,328,090 4.1 2,275,4018.2 -41.6
富士通1,071,490 3.3 877,9553.2 22.0
その他7,598,711 23.6 7,472,44126.8 1.7
合計32,221,175 100.0 27,854,586100.0 15.7
注)HTCの出荷台数は自社ブランド製品のみ
出典:Gartner(2008年8月)

 OS別の出荷台数を見ると,Symbianが1840万台で1位になったものの,市場シェアは前年同期の66%から57%に縮小した(表2)。Symbianのシェア縮小は,日本での出荷台数が26%減少したことや,Symbianとライセンス契約を結んでいた三菱電機が市場から撤退したことが原因とGartnerは分析している。2位は560万台のResearch In Motion(市場シェア17.4%),3位は390万台のMicrosoft Windows Mobile(同12%)だった。

表2 2008年第2四半期の世界市場におけるスマートフォンのOS別出荷台数

OS 2008年Q2 2007年Q2 伸び率(%)
出荷台数(台) 市場シェア(%) 出荷台数(台) 市場シェア(%)
Symbian 18,405,05757.1 18,273,255 65.60.7
Research In Motion 5,594,15917.4 2,471,200 8.9126.4
Windows Mobile 3,873,622 12.03,212,222 11.5 20.6
Linux2,359,245 7.3 2,816,49010.1 -16.2
Mac OS X 892,5032.8 270,000 1.0230.6
Palm OS 743,9102.3 461,918 1.761.0
その他352,679 1.1 349,5011.3 0.9
合計32,221,175 100.0 27,854,586100.0 15.7
注)その他にはDangerプラットフォームを搭載したシャープのSidekickシリーズを含む
出典:Gartner(2008年8月)