今や電子メールは,電話を上回るもっとも身近な連絡方法として定着している。このビジネスおよび生活の必需品ともいえるメールについて,IT技術者はどのような形で活用しているのか興味深いところだ。いったいメール・アドレスは,いくつぐらい使っているのだろう。また,外出先でも受信したメールを読んでいるのだろうか。読んでいるとしたら,どうやって読んでいるのだろう。興味深い点はいろいろとある。

 そこで,ITproでは「電子メールの受信方法に関する調査」を実施した。調査の実施時期は2008年8月25日から9月2日。1781人の方からの回答を得た。今回は,この調査結果を報告しよう。

Windowsでマイクロソフトのメール・ソフトを使っているユーザーが典型的

 最初に,主に使っているクライアント・パソコンのOSについて尋ねてみた。すると,アンケートに答えた人が使っているパソコンのOSは圧倒的にWindows XPが多く,78.9%と8割近い人が使っていた(図1)。次に多かったのは,Windows XPの後継であるWindows Vistaで,すでに10.8%の人が使っていた。市販パソコンのプリインストールOSがWindows Vistaに切り替わりつつあることもあり,徐々にWindows Vistaのユーザーも増えているようだ。続く3番目に多いOSもWindows 2000 Professionalと,実に95%を超す人がWindowsを使っていた。Windows以外では,Mac OSが2.1%,Linuxにいたってはわずか0.4%という結果になった。

図1●回答者が主に使っているクライアント・パソコンのOS
図1●回答者が主に使っているクライアント・パソコンのOS

 次に,使っているメール・ソフトについて聞いてみた(図2)。その結果,もっとも多かったのはOutlook Expressの22.0%である。やはり,8割を超える人が使っているWindows XPに標準搭載されており,無償ですぐに利用できるというのが大きいのだろう。さらに,Outlookを使っている人が2位で21.5%と続き,Windows Vistaに標準搭載しているWindowsメールを使っている3.7%の人と合わせると,マイクロソフトのメール・ソフトを使っている人は47.2%と半数近くに達している。マイクロソフト以外のメール・ソフトでは,Thunderbird(11.5%)とBecky!(11.3%)の二つを使っている人が目立つ。また,WebブラウザでWebメールを主に使っているという人も7.0%とまずまず多い。

図2●主に使っているメール・ソフトの種類
図2●主に使っているメール・ソフトの種類

 なお,メール・ソフトの回答では「その他」と答えた人が16.1%とかなり多い。この内訳について簡単に紹介すると,286件中でノーツを使っていると答えた人が97人と圧倒的に多かった。それ以外には,AL-MailやWinbiff,EdMax,電信八号など,実に多様なメール・ソフトの名前が挙げられていた。つまり,マイクロソフト製品が強いながらも,メール・ソフトに関しては個人の好みで様々なものが使われているのが実態と言えるだろう。

 さて,ここまでは回答者の基本的な状況を調べるための調査である。ここからは,いよいよ実際にどのような使い方をしているかについて見てみよう。