電気通信事業者協会(TCA)は2008年9月6日,2008年8月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。新規契約数から解約数を差し引いた月間純増数はソフトバンクモバイルが16万3300増とiPhoneが発売された前月(7月)の21万5400より下がったもの,16カ月連続で首位を維持した。「iPhone効果があったほか,夏モデルも順調に売れた」(ソフトバンクモバイル)という。

 このほか注目すべきは,イー・モバイルの躍進だ。2位はかろうじて8万4400増のNTTドコモが守ったものの,イー・モバイルが8万4300増(前回は6万5000増)となり,その差は100になった。「EeePCとのセット販売や7月からのキャンペーン,USBスティック型の通信モジュールD11LCが売れたことで今回好調だった」(イー・モバイル)と言う。

 4位のKDDIは前回の1万7000増から巻き返し,5万4900増となった。なおNTTドコモの場合は,純増数8万4400件に2契約とカウントする「2in1」のサービス分の5万6300契約が含まれている。2契約とカウントしない2in1自体の純増数は4万8500。PHSではウィルコムが1万7400減となった。

 番号ポータビリティ(MNP)による転入出状況は,ソフトバンクモバイルが4万3700件,イー・モバイルが300件の転入超過。一方,NTTドコモのみが,4万3700件の転出超過となった。NTTドコモは,「FOMA706iシリーズが出そろったのと,全体の解約率が減る方向にあり,前回の5万1100件よりも転出数が減った」と分析している。

 KDDIは今回,9800件の転入超と前回の転出超からプラス回復。「iPhoneの購入意欲の一巡と,夏のキャンペーンの効果が出た」(広報部)と見ている。